あー、だりぃ。
完全に二日酔いだなこりゃ。


目を開くのも面倒で、二度寝しようと思い、布団を引き寄せる。


あー、あったけぇ。




…………これ、布団か?


そう思って無理矢理目を開くと、


「……なにこれ」


自分の腕の中には名前がいた。


………いやいやいやいや!
なにこれ、じゃねぇよ俺!!


徐々に覚醒してきた頭で考える。


ととととりあえず落ち着け俺!
まず声を出すな。
名前が起きるから。



よし、昨日のことを思い出してみよう。



昨日は大晦日。
今年最後の宴で、親父やマルコたちと盛り上がった。


普段より多く飲んだからか、早々につぶれたように思う。


そのあとは……

えっと…、そのあと、は……



…まあ、要するにそのあとを覚えてない。


……ってだめだろ俺!
いやいや、ノリツッコミなんかしてる場合じゃねぇ。



とりあえず大切なのは、あれだ。


まだ寝ている名前を見る。


よし、ちゃんと服を着てる。


俺もちゃんと服を着てる。

まあ上は着てないけど…。


まずは良かった。
いや、全然良くねぇけど。




俺と名前はそういう間柄じゃない。
いやいつかはそうなりたいんだけど。


でももしそんなことがあったら告白云々の前にさようならは決定だ。

大体名前とそういうことをしておいて俺が覚えてないわけがねぇ。
そういう問題じゃないけど。



俺の無罪(この時点で有罪?)が証明されたところで問題解決にはならない。


何でここに名前がいるか、だ。



ふと無防備な寝顔を見ると、それだけで心が温かくなる。


ああ、やっぱりかわいいなこいつ。


こんな至近距離で顔を見たのは初めてだ。

つやつやした髪に、白い肌。
まつげは思ったより長いんだな。
すっと通った鼻に、柔らかそうな唇……。



……ダメだ俺!
既成事実を作ってどうする!
負けたら終わりだって!!


頭の中で葛藤しながらも名前を見る。

あ、今の声エロかった。



「エース…」


心臓がどきっとしたのがわかった。

目は閉じたままだ。
寝言で呼ぶなんてずるい。
「ラーメン…やばい…、トイレ……」


どんな夢だ。

そう思った瞬間、


名前とばっちり目が合った。


「……え?」
「いや!その、なんだ。俺昨日酔って…、その……何も、覚えてなくて…」
「……ああ!」


そうそう、と言いながら納得したような名前。


「俺、変なことしなかった?」
「うん、平気」


良かった。
この様子からして今すぐさようならフラグは解消だ。


「名前、どういう経緯でここに…?」
「え、覚えてないの?」
「……わりぃ」


そう言うと、「じゃあ説明してあげる」と言って笑う名前。

この距離で笑顔とかやめてほしい。


「昨日はね…―――」



説明を要約すると、この部屋に来たとき俺が寝てたから、戻ろうとしたときに、俺が名前の腕を掴んで離さなかったからそのまま…、ということらしい。



「なんかわりぃな」
「ううん」


とりあえずまだセーフな領域だ。良かった。


あれ…?じゃあ、


「何で俺の部屋に?」


そう言うと、思い出したような表情で言う名前。


「一番に言いたかったんだ」
「?」


ハッピーバースデー


(そして好きです!)
(…俺も!)



20120101


間に合ったー!!
エース誕生日おめでとう!

最後なげやりだけど許して←

ちなみに夢の内容は『エースとラーメンを食べてるときにエースが寝ちゃって顔面がやばいことに!トイレ借りてきな』というものです一応笑





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