「あはは…」
やっちまった!!
今日はみんな大好き私も大好きなハロウィーンだというのに。
「お菓子忘れた…」
うわーうわー。
今頃机の上でお留守番してるにちがいない。
今日は皆にいたずらをするつもりで学校に来たのに。
やばいな。日頃いたずらしまくってる恨みを一気に返される気がする…。
「「「名前!」」」
「…ツナ、隼人、武」
「待ってたよ名前」
「10代目を待たせやがって!」
「今日は何の日かわかるよな?」
私の肩にぽんっと手を乗せながら、満面の笑顔(なのになぜか少し怖い)でこちらを見る武。
うん、キャラが違うかな。
これは明らかにお菓子目当てではないよね。
よし!こうなったらあの技を使おう!!
「「「トr「トリックオアトリート!」
三人の言葉を遮って言ってやった。
どうだ見たか!
結局世の中先手必勝なんだよ。
三人は一瞬不機嫌そうな顔をしたが、ズボンのポケットをがさがさと漁り、取り出したお菓子をそれぞれ私の手のひらに乗せる。
「ありがとう!じゃ!」
「「「!?」」」
三人が驚いている間に走り出す。
「ちょっと待った!名前、「ごめん!私急いでるから!!」
ツナの言葉を遮ってお菓子もらい逃げ。どや!
でも当然三人は追ってきた。
「名前ー!」
「待ちやがれ!」
「待つのな!」
「うわっ!来た!」
ぎゃー!何これ怖っ!
笑顔なのに全然笑顔じゃないよみんな!
「何?みんなして私を追いかけちゃって。そんなに私のことが好きなんだーきゃーっ!」
「!!…〜っ10代目!こいつ爆破していいっすか?」
「隼人こわー!まあ怒った顔もイケメンだけどね。付き合いたいけど、狂愛は私の趣味じゃないから却下!回れ右!」
「獄寺君、俺が燃やす!ついでに君もね」
「10代目!?」
「あれ?もしかしてツンデレ?全員で?笑」
「はは、俺が切るのな。ついでに獄寺も」
「!?」
さっきよりもものすごい勢いで走ってくる三人。
やばくないか?
皆ドン引きして追ってこなくなると思ったのに逆効果だよ!
なんかツナと山本の笑顔はさらに黒くなってるしさ。
そして朝から全速力で校内走ってこんな会話してる私たちも相当やばいよね!
いつもだからもう気にしないけどさ!!
とりあえず逃っげろー!
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