「ただいまー」
「名前!」
教室に戻ると、もうお昼休みに入っているらしく、教室には人が少なかった。
「やっほーツナ。お昼食べよ」
「あ、うん」
「あれ、隼人と武は?」
「獄寺君と山本は購買でお昼買ってから屋上に行くって。俺たちも行こう」
私は自分のバッグからお弁当と水筒を取りだし、ツナと一緒に屋上に向かって歩き出した。
「あ、武と隼人発見!ただいまー」
「名前!おかえりなのな」
「ったく、遅ぇよ」
「ごめんごめんご」
「謝る気ねぇだろ!」
ばれたか、なんて笑いながら座る私とツナ。
お昼ご飯を食べ始めると、ツナは意を決したように私に尋ねた。
「名前、あの、さ」
「ん?」
「雲雀さんに何か言われた?」
「「!!」」
ツナの言葉に二人も反応する。
え…何かってなんだ…?
いろいろ言われたには言われたけど、いつも何かしら言われてるしなぁ。
「うーん…。顔に出すぎって言われた」
「え?意味わからない」
「ひどっ!ツナが聞いてきたんじゃん!」
今のツナ一瞬真っ黒じゃなかった?
いや、私は知らない。
何も見てない。
「…そうじゃなくてさ、例えばクリスマスのこととか……」
「あぁ…言われた」
「!…何て?」
「予定を聞かれたからないって言ったら『やっぱり1人なんだ』って言われた。恭弥にそれを言われるとかむかつくんだけど」
あれはひどいよね。
オールウェイズぼっちな恭弥には言われたくないよ。
「…それだけかよ」
「うん」
「良かったのな」
……何がだ?
私ぼっちな人に『ぼっちだね』って言われたんだけど。
「……あ、嘘。恭弥何か言いかけてたけど骸が来てバトルになったから放置して戻ってきちゃった」
「んな!骸も来たのー!?」
「うん。…そう言えば骸も何か言いかけてた気がする。……ってあれ?三人も今日私に何か言いかけてなかった?」
うわー、私どんだけ間の悪い子なんだ。
「獄寺君、山本、同時に言おう。で恨みっこなしね」
ツナの言葉に二人が頷く。
「「「名前!クリ」」」
ドゴオオン!
大きな音がした方向を見ると、壊れた屋上のドアと、少し傷のついた恭弥と骸が立っていた。
「僕を差し置いて勝手に名前を誘おうだなんて、そうはさせません」
「言ったよね。君たちに譲るつもりはないって」
あれ?私が勝手に戻ったから怒ってたんじゃな「あと名前も勝手に戻るとかありえないんだけど」…ですよねー。
「いい加減諦めなよ」
「はは、それは無理なのな」
「てめぇに言われる筋合いはねぇ!」
「君たちは皆同じ学校なんだからいいじゃないですか」
「骸が選ぶ学校間違えただけでしょ?」
言い合いを始める5人。
何なんだこれは。
ていうかツナと武の黒さは見間違いじゃなかったんだね。
悲しいことに。
「あの、えーっと…どういう流れかな。これ」
私がそう言うと、皆が一斉にこっちを向く。
…それはそれで怖いんだけど。
「この際この場で名前に決めてもらいましょう」
「このままじゃ埒があかねぇからな」
すると私の前に立ちはだかる5人。
そして同時に私に告げた。
クリスマスは誰と過ごしたい?
(……皆でパーティーすれば良くない?)
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