ガチャ

「遅い」
「3分は結構頑張った方!」


恭弥は本当にジャイアニズム全開で困る。
ていうか勝手に授業抜け出すのは風紀を乱すことにはならないのかな。
怖いから言わないけど。


「…で、何の用?」
「ちょっと仕事手伝ってよ」
「そうだと思った……」


でも走らなきゃいけない理由はないよね。
私の体力返せー。


「はぁ。で、どれ?このエベレスト?」
「いい。それは草壁とかがやるよ」


かわいそうな草壁。

そして書類の山があまりにもでかすぎたからエベレストと呼んでみた私のボケにはつっこんでくれないのか。


「君はその辺の富士山をやって」
「恭弥が初めて私のギャグにのってくれた…!」
「うるさい」


これはレアだ。
星3つはつくね。

今日は隼人といいレアなものが多く見れてラッキーだな。


私は富士山レベルの書類の山に手をつけ始める。

私は書類は意味不明なものが多いから判子をおすだけしかしてないけど。


「名前」
「何?」
「クリスマスの日、予定あいてる?」
「あいてるけど…」
「やっぱり1人なんだ」
「恭弥にだけは言われたくないんだけど」


どうせぼっちだよ!

恭弥なんかきっとぼっちって言われるのが怖いから、『僕は群れる奴は嫌い』とか言ってるんだよ。
怖いから言わないけど。


「じゃあさ」
「お断りします」
「は?」


一瞬ぽかんとした表情をした恭弥。すぐに不機嫌そうになったけど。これもレアだな。


「なにそれ、どういう意味?」
「仕事でしょ?さすがにクリスマスは嫌だよ。それなら家でうだうだしながらドラマの再放送でも見るし」
「はぁ」


盛大にため息をつかれた。

何、そんなに仕事溜まってるわけ?
仕事さぼって屋上で寝たりヒバードと遊んだりしてたんじゃないの?
怖いから(ry


「あのさ、さっきから失礼なこと考えてるでしょ」
「!」


なぜばれた!
リボーンに読心術でも習ったのか!


「顔に出すぎなんだけど」


悪かったね!
顔だけじゃわかんないじゃん。
もし今日の朝ごはん激まずだったな的なこと考えて、表情が歪んでただけだったらどうするんだ。


「それにクリスマスまで仕事なわけないでしょ。だから今やってるのに」
「なるほど」
「……僕が言いたいのは、クリ」
バリーン!


窓が割れる音がすると恭弥はすばやく飛び退いた。

書類がひらひらと舞っている。


「え…何事?」
「邪魔しないでよ」


恭弥の視線の先には割れた窓と、

「すみませんねぇ雲雀君、どうやら手がすべったようです」


骸がいた。


恭弥がさっきまでいたソファーには、見覚えがありすぎる槍が刺さっていた。

骸が投げたのかこれ。
もし本当に手がすべって投げちゃったんなら、ちょっとそのシーン見てみたいよね。


「君、何の用?この際窓を壊したことと、僕の言葉を遮るようなタイミングで、ちょうど僕がいたところに手がすべったにしては速すぎるスピードで槍が突っ込んできたことは許してあげるから帰って」


恭弥…すごいマシンガントークだ。これもレア(ry


「別に雲雀君なんかに用はありません。大体僕がこんなところに来たいわけないじゃないですか」
「君の意見なんか興味ないよ。早く消えて」


数秒間、二人は睨み合う。

すると骸が突然私の方へ視線を移し、ゆっくりとこちらに来る。


「僕は君に用があるんです。名前」
「私?」
「はい。名前、クリ」
ビュッ


骸は突然後ろに飛び退き、さっきまで骸がいた場所に何かが横切った。
また書類が舞う。


「わぉ。手がすべった」


何の悪びれもなく言う恭弥。

見れば反対側の壁には今横切ったらしいトンファーが壁に刺さっている。


「それ以上は言わせないよ」
「邪魔しないでください」
「どうやら咬み殺されないとわからないみたいだね」


恭弥の言葉により、キンキンと音をたてながら戦い始める二人。

ああ、エベレストが…。


とりあえずこれ以上巻き込まれるのも嫌な私は二人に気づかれないよう応接室を出た。





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