ドガアン、
尋常じゃない爆裂音が聞こえた。
きっとさっきリボーンが言ってた入ファミリー試験ってやつを今やってるんだ。
先生に仕事を頼まれてすっかり遅くなっちゃったけど、まだ間に合うかな。
校舎裏の角を曲がると、そこには煙が立ち込めていた。
「隼人!リボーン!」
「名前!」
「ちゃおっす」
「えっと、これが入ファミリー試験?」
「そうだぞ」
「じゃあこの中に武が!?」
「10代目もいらっしゃるんだ。10代目ー!!大丈夫ですか10代目ー!!」
いやいや、これはやばいな。
まさか入ファミリー試験がこんな大変なものだとは…!
私もこれ受けなきゃいけないのかな。死ぬかも。
「あそこだぞ」
「「!!」」
私は見た。見てしまった。
煙の中から現れた二人。
命をかけて大切な、愛する人を守る姿。
これ、は……!!
武の、綱吉への愛は間違いなく本物なんだ。
たとえ愛してると口で言えても、自分の身を呈して守るなんて簡単なことじゃない。
まさか武がそこまで綱吉を愛してるなんて…。
ごめんね武、私の考えが甘かったよ。
リボーンに合格を言い渡される武。
まあ、あんなに素敵な愛を見せられちゃ、リボーンも認めざるを得ないよね。
そんな武にズンズンと歩みより、胸ぐらを掴む隼人。
「よくやった」
「!」
「10代目を守ったんだ、ファミリーと認めねーわけにはいかねぇ。でも10代目の右腕はオレだからな。おまえはケンコー骨だ」
「け…ケンコー骨!?」
武同様私も驚く。
ここですぐさま宣戦布告をする隼人はさすがだな。
お前の愛は本物だが、10代目は渡さないって意味だよね。
すると武は笑いながら隼人の肩を組み、隼人に面白ぇー奴な!、なんて言う。
「だがツナの右腕を譲る気はないね。おまえは耳たぶってことで」
「え!?」
「んなぁ!?」
突然真顔になって綱吉は渡さない的な宣言に私も驚いた。
これ以上私を喜ばせてどうしたいんだ。
言い合う二人に顔面蒼白な綱吉、そして驚く私。
かなりシュールな絵面となって、武の入ファミリー試験は終わった。
(そう言えば、私も入ファミリー試験受けなきゃいけないのかな…?)
((((名前は受けちゃダメだ!))))
20120506
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