学校に着くと大騒ぎになっていた。


なんでも、昨日の綱吉の告白が学校中で噂になっているらしい。

そして極めつけには今から道場で綱吉と持田先輩が決闘するんだとか。


それは見逃すわけにはいかない。
すばらしいな、愛のための決闘だなんて。
今どきそんなものが見られるなんて自分はなんてラッキーなんだろう。


もうすでにほとんどの人が道場に行ってしまったあとの静かな廊下を、少し急ぎ足で歩く。


すると前の方から人が来た。


「あれ、綱吉…?」
「名前ちゃん!」


今から決闘するはずの彼がなぜここに…?


「あの…、今から決闘するんだよね…?」
「え…、ああ、ちょっとトイレに…」
「そっか。私は綱吉を応援するよ」
「…」
「頑張ってね」
「…」



綱吉はなんだか浮かない表情で。

やっぱり持田先輩が怖いのかな?
勝負は剣道だって聞いた。
ただでさえ運動が得意じゃない綱吉と、剣道部主将の持田先輩。
ある程度のハンデはあったとしても、やっぱり自分の苦手なもので勝負を挑まれたら不安は大きいんだろうなあ。


「綱吉なら、きっと大丈夫だよ」
「…!」
「じゃあ、私は先に道場に…」
「名前ちゃん!」
「?」
「ありがとう。昨日も…」
「ああ、気にすることないよ。私はお似合いだと思うよ。京子ちゃんと綱吉。じゃあ、頑張って」
「…」


そう言って私は道場に向かって歩いた。




















快進撃っていうのはこのことを言うんだと思う。


「スゲェ!!勝ちやがった!」


昨日見た鬼の形相をした綱吉は、昨日と同じ斬新な姿で、防具を身につけた持田先輩に挑んでいき、見事勝負に勝った。


正攻法とは言えないけど、綱吉が勝って本当に良かったと思う。


持田先輩はご愁傷様って感じだけど、聞くところによるとひどい発言をしていたらしいから、まあ自業自得と言えばそうなる。


これを期に心を入れ換えてもっと素敵な恋をできるといいね。

まあ髪は…………そのうち生えるよ、きっと。



「ツナ君ってすごいんだね。ただ者じゃないって感じ!」



京子ちゃんの声が聞こえる。


ああ、良かったね綱吉。
綱吉の素敵なところが少し、京子ちゃんに伝わったみたい。
二人が幸せになるといいなあ。




(名前ちゃん、)
(名前でいいよ)
(これ、上着ありがとう。応援してくれたのも嬉しかったし…)
(どういたしまして。気合い入れるためなのかもしれないけど、ほどほどにね)
(……うん)


20111127


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