昼休み、購買に向かう階段をナミと一緒に降りる。



今日の目当ては期間限定の菓子パン。

この前は私がパシリになってポテトを買いに行ったけど、今回は一人一つしか買えないらしいから、二人で購買に向かう。



相変わらず昼休みだけ人で賑わう階段だけど、私の教室から近いし、表の混雑した階段を使うのはめんどうだから、私は昼休み以外でも結構愛用している。



そしてそんな私の判断基準はたいていめんどうかそうでないか、という女子にあるまじき基準だけど、まあそこは気にしない。




階段を降りていると前から見覚えのあるあの人が上って来た。
黒髪にそばかすの、エース先輩。


「よ!」
「こんにちは」


それだけ言葉を交わしてすれ違う。


「…ねぇ名前、アンタエース先輩とどういう関係?」
「え?ナミもエース先輩のこと知ってるの?」
「知ってるの?って!エース先輩は有名じゃない!!クラスの子がかっこいいってよく話してるわよ」
「へぇ…」


知らなかった!!
確かにイケメンだよね、エース先輩。
体育会系っぽいし、性格良さそうだし。


「それで?あれは一体どういう関係なの?」
「どういうって……挨拶をし合う関係?」
「聞くな」



だってさだってさ、実際そうなんだから仕方なくない?


あの日から数日後、授業寝てた日友達のノートをコピーしようと思って、この階段降りてるときに先輩が上って来て、でそのときお互い挨拶して。


それから数日後、追試の存在を忘れててさぼってしまった私は、次の日一人呼び出されて追試。
そのとき何もやってなかった私は、必死に単語帳にかじりつきながらまたこの階段を降りてて、そんな私を見たエース先輩は「勉強か!えらいな!」と言ってすれ違った。

その日先輩はこの前のお友達と一緒にいて、会話から私はその人の名前がマルコさんだということを知った。


ちなみにどちらも昼休みの出来事だから、エース先輩は毎日購買に行ってるんだろう。

そして私は勉強に対して本当に適当な人間なんだと思いました、まる。



とりあえず私とエース先輩の関係ってそんな感じ。

お互い知ってるのは見た目と学年と名前だけ。
あ、エース先輩は私の名前すら知らないだろうな。



そう言うとナミとは「本当に挨拶をするだけなのね…」と呆れたような目でこっちを見ながら言ってこの話は終わった。



(でも、改めて考えると本当に変な関係だ)



20111006


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