赤髪の不良くんはまさかの私の隣!
関わらないに越したことはないとか思った瞬間だよ。
なにこの嫌がらせ。
私の隣に座るユースタス(と先生が呼んでいた)くんはなんかもうすでに不機嫌そうだ。
うん、すごくいやだ。
私はできる限り隣に視線をよこさず、プリントを解こうと…
「よぉキッドー!何だお前寝坊か?面白ぇな〜!」
ぎゃーっルフィ!!
何フレンドリーに挨拶しちゃってんの!!
てかルフィの知り合い!?
ルフィが友達だと思ってても多分向こうはそう思ってないから!
「うるせぇ麦わら」
「ししっ!あ、メロンパン食うか?」
「いらねぇよ!」
あれ?意外に無害そうな感じだ。
いやいやいやいや!
私には十分怖いからアウトです。
体の右半分(ユースタスくん側)が怖くて緊張するからうまく動かない。
トン
「あ…」
私の消しゴムがああ!!
手に当たって落ちた消しゴムはコロコロと転がってユースタスくんの椅子の下に。
どうしよう!!
足下とかならまだ良かった。
腕伸ばせば届く。
でも椅子の下はだめだ。
腕伸ばすとか不自然すぎる。
考えただけで恐ろしい。でも今日はあれしか消しゴム持ってない。
勇気を出す……しかないよね。
うぅ、何でさっき起こされたはずのルフィとゾロはもう寝てるんだ。
「あの、」
「あ?」
ちょ、怖いから!
「消しゴム…拾ってもらっても良いですか?椅子の下に落ちちゃったんですけど…」
言った!言ったぞ私は!
屈んで椅子の下を覗くユースタスくん。
「あぁ、これか。ほらよ」
「ありがとうございます」
頑張って笑顔作っといた。
だって、てめぇのその態度イライラするんだよ、ああん?な状況になったら私は終わってしまう。
今度こそ私はプリントに集中しようとした。
「おいお前」
……できなかった。
「…はい?」
「何で敬語なんだよ。俺たちタメだろ」
君が怖いからだよ!なんて言えないけど。
「いや…、なんか失礼じゃないですか」
「ぷっ、何だよそれ」
ユースタスくんは一瞬ぽかんとした表情をすると笑いだした。
私何か変なこと言ったかな。
「ユースタス・キッドだ」
「え?」
「キッドでいい。敬語もいらねぇ」
「あ、うん。」
これは…私も自己紹介する流れだよね?
「私は」
「お前のことは知ってる。名字名前、だろ?」
「!…何で?」
全くこの人と接点ないんだけど。
「お前、つい最近噂になってたじゃねぇか。万引き事け」
「うわああ!言うな!言うんじゃない!」
そうか、それか。
うわー、第一印象最悪だよ。
声の大きさを少し抑えて言う。
「言っとくけど、あれ、ガセだからね」
「ああ、知ってる。……というより、お前万引きとかできなそうだからな、馬鹿そうで」
うわ、うっざ!
エース先輩とは大違いだよ。
このときにはもう、怖さなんて少しもなくなっていた。
(大体補習に来てる時点でキッドも馬鹿じゃん)
(俺は出席が足りてねぇだけだ。てめぇなんかと一緒にすんな)
(威張ることじゃないよ。私は寝てただけだし)
(威張ることじゃねぇ)
20111215
キッドくんの口調がわかりません(´・ω・`)
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