「夏休みは遊んでばっかいないで勉強しろよ。じゃあ号令」
「きりーつ、気を付けー、礼」



明日からはとうとう夏休み。

やったね、これで毎日ぐだぐだできる。


「ナミ、帰ろ」
「今行くわ」


教科書などをバッグに詰め、こちらに来るナミ。

それから二人で歩き出す。


「やっと学校終わったね。あ、そうだ。夏休み遊ぼうよ」
「そうね!いつにする?」
「明日は寝坊したいからー、あさっては?」
「私はいいけど…、名前は明日から一週間補習じゃなかった?」
「え…?そうなの?」
「アンタねぇ!さっき先生が言ってたわよ」



ま じ で か!!

うそ、やだ聞いてない。
貴重な夏休みを一週間も補習に潰されるなんて…!!


「いい加減成績やばいんだから、ちゃんとまじめに受けなさいよ?それが終わったら遊んであげるわ」
「えー…。まあ、わかったよ」



私は5段階評価の成績で白鳥さんが何羽かいらっしゃったのを思い出し、しぶしぶ頷いた。


















「よぉ」
「あ、ゾロ。やっぱりいたんだ。いつも寝てたもんね」
「お前に言われたかねぇよ!」

補習一日目。教室に入ると、ゾロがいた。


補習は他クラスの生徒も一緒で、知ってる人がいなかったら、なんて正直不安だったから安心する。


「ルフィのやつも補習だとよ」
「あぁ、だろうね。まだ来てないのか」
「いや、もう来てるぞ」
「え?どこにいるの?」
「購買にパン買いに行った」
「はは、ルフィらしいね」



キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴ったため、指定された席に着く。


私の席はなんと窓側の一番後ろから二番目。
神様ありがとう。

ちなみに後ろはゾロで前と隣はまだ誰も座ってない。


なんか寂しいけど、まあどっちかにルフィが座るんだろうな。


号令がかかり、先生がプリントを配り始める。


「わりぃわりぃ!ちょっと遅れた」


ガラガラガラッと音をたててドアが開き入ってきたのは、大量のパンを抱え、何の悪びれもなく遅れてきた笑顔のルフィだった。


先生はルフィに何を言っても仕方ないことがわかっているらしく、呆れた顔で席に着くように促した。



私の前に座るルフィ。

隣に来るはずの人はきっと補習のこと忘れてるよ。
まあナミに言われるまで知らなかった私が言えることじゃないけど。
ていうかルフィパンどんだけ買ってるの。


なんて思ってるうちにプリントがきて先生が何やら話し始める。

なるほど、わからん。


とりあえず意味不明なのですでに爆睡している前後のクラスメートを見習い、私も居眠りをすることにし…


「名字、どこかわからないところがあるのか?」


…できなかった。


私に声をかけた先生によって、前後の二人も起こされる。



先生は何だか恐怖を感じる笑顔をはりつけていたから、大人しくプリントに向き合う私。


うん、これでわかったら最初から解いてるよ。
いや、そもそも補習に出てないよ。


「先生、全部わかんねぇ!」


ルフィが言った。
何が嬉しくて満面の笑みなのかはよくわからない。
しかもパン食べながらって色々ダメだよ。



ルフィに説明を始める先生。
ちゃっかり一緒に聞く私。

意外にもわかりやすくて問題をいくつか解くことができた。


私はやればできる子だったんだね。寝てるだけで。


わかれば勉強はそれなりに楽しい。
プリントの問題をどんどん解いていると、


ガラガラガラッ!


大きな音をたてて開いたドア。

現れたのは、赤い髪の毛にお世辞にも優しそうとは言えない顔つきの、不良やってるぜ文句あんのかコラ、的な人だった。


怖いなあ。目があっただけで殺されそうだよ。
とりあえず関わらないに越したことはない。


私はその人に視線を向けずにプリントに取り組んだ。





(やっと来たかユースタス。お前の席はそこだ)
((私の隣…))


20111204

キッドくん出してみた(^O^)
好きだから絡ませたいだけ←


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