「ナミ、私ね、エース先輩が好きになったみたい」


名前からそんな言葉を聞いた。

私が今まで見ていた限りでは、きっともっと前から名前はエース先輩のことが好きだったんだと思うけど、まあ名前の性格からして自分の気持ちにも鈍そうだし、ようやく気づいたってところね。


「やっぱりね。怪しいとは思ってたわ」
「え!気づいてたの!?私よりも先に!?」
「どんだけ一緒にいると思ってんのよ。というより名前が鈍いの」
「そうだね」
「そこは否定しなさいよ!」


ゆるゆると笑う名前に、私まで脱力してしまう。


「それで?エース先輩がルフィのお兄さんだってことも知らなかったのね」
「まあ、うん」


少し恥ずかしそうに言う名前に呆れてしまう。

ふう、ため息をつき、名前に言う。


「まずは相手のことを知ることが大切ね」
「おっしゃる通りです」
「まあ、相手があれだし…。嫌われてはないと思うけど、多分周りの人皆にあんな感じだと思うから、恋愛対象として見てくれてるかは微妙だわ」
「確かに…」
「でも、可能性は0じゃないと思うわ。頑張って!」


あれくらい仲良くやってるなら、頑張ればもしかするかもしれないし、ね。





















最近のエースの様子はおかしい。
まあ、食事中に突然寝たりするようなやつだから、いつもおかしいっちゃあおかしいんだけどよい。

俺が言いたいのはそういうことではなくて。


ここ最近、一人の後輩をやたら気にかけているように思う。


俺も何度かエースといるときにすれ違ったことはあるんだけどねい。
確かそいつの名前は…名前だったような……。
名前に関しては俺もエースが呼んでいるのを聞いただけなんだけどよい。


「名前のやつ、大丈夫かなぁ」


ほら、まただよい。


この間万引き疑惑が出た奴が例の名前らしくて、最近エースはずっとあんな調子だ。

なんでもエースがその誤解を解くのに一役かったらしく、ものすごい剣幕で「あいつは万引きなんかしてねぇ!」なんて怒鳴るもんだから、俺とサッチも驚いた。


全校集会では決まって手を振り、会うたびにニコニコしながら話すエースは何だか微笑ましい。

そんな対応をしているからか、一時期エースと名前が付き合ってる、なんて噂が流れたこともあったが、エースは何も気にしていなかった。


いや、あいつの場合ただ気づいてないだけって可能性もあるねい。

モテるわりにそういうことには疎くて、…というより興味がないのかもしれないけどよい。


だから俺はエースからその手の話を聞いたことがない。

付き合っているなんて話はおろか、好きな人がいるとか、特別仲良くしている女だって見たことがない。


だから俺はぶっちゃけエースは名前のことが好きなんじゃないかって思う。

あんなに一人の女を気にかけるエースは初めて見たからねい。


ただ問題は、エース自身が好きだっていう自分の気持ちに気づいてない可能性が高いってことだよい。


エースを見ると、柄にもなく悶々と何かを考え込んでいる様子。

すると突然立ち上がり、


「あ、今日もルフィのやつお弁当忘れていったんだ!届けるついでに名前に会って来よう!」


なんて言葉を残し、お弁当を持って教室を後にした。


会いに行くって…。
そんな発言するから付き合ってるなんて噂がたつんだよい。


俺のそばでエースを見ていたサッチが言う。


「ずりぃなあ、エース。俺も誰かかわいい子に声をかけようかな」
「サッチには無理だ。下心が丸見えなんだよい」
「ひでぇなマルコ!」


ギャーギャーと何か言っているサッチ。

そんなんだから無理なんだってことに気付けよい。





(夏休み、ルフィの家に遊びに行くわよ!)
(ちょ、ナミ!それは無理//)


(エース、お前名前のことかなり気に入ってんだねい)
(羨ましいぜ。ぶっちゃけ好きなんだろ?)
(おう!大好きだぜ!)
(((わかってんだか…)))
(…?)


20111129

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