今この気分を一言で言うならあれだ、そう、ありえない!ってやつ。


時間はお昼休みが始まって十分くらいたった頃。

購買のポテトが安売りするらしくてみんなで買うことになった。
みんなと言っても私とナミの二人だけなんだけどね。


まあそこまでは良かった。
だって私もポテト食べたいし。

でもお昼の購買は混雑するからじゃんけんに負けた方が二人分のポテトを買うことになった。


はい、そうです負けましたよ私が!


ちなみにこの学校は学年と階が反比例してるから、一年生の教室がある四階から購買がある一階までの行き来は、とてもめんどくさかったりする。



あと関係ないけど購買に向かうこの階段は、朝は下駄箱から遠くて人が少ないけど、昼は結構賑わっている。


ほら、今も前から男子二人組が上って来た。
上履きの色からして二年生だな。全然知らない人だけどー…。


その男子二人組と近づくにつれて、会話が聞こえてきた。


「マジありえねーよぉ」
「エースが授業終わっても寝てるからだよい」


…そうか。どうやら理由は全くわからないけど、そのエースって人も今の心境は私と同じ"ありえない"みたい。
何があったか知らないけどすごくわかるよその気持ち!


するとそのエース先輩と目があった。


やば、ガン見しすぎたっぽい。


でもエース先輩は気にする様子もなく、私に向かってこう言った。


「マジありえねーよな!」


…え、えぇぇええ!
これ私に言ってる…よね?
うん、その証拠に目線があまりにもこっちすぎるもんね。
でもまさか話しかけてくるとは思わなかった!!
まあちょっとびっくりしたけどさ、その気持ちに対しては同感だよ。


「ほんとにありえないですよねー」
「だよな!」
「何見ず知らずの後輩に同意を求めてんだよい」



なんて、すれ違う一瞬にちょっとだけわけのわからない会話をして、お友達らしいもう一人の人と階段を登っていくエース先輩。




…とりあえずポテト買いに行こう。


全然知らない人にだけど、気持ちに同意してもらえたからか、私の気分は少し良くなった。




(ちょっと遅いわよ名前!)
(これでも頑張ったんだよ。お昼の購買をなめないで!)




20111006


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