「名前!」
「…ナミ、おはよ〜」
「おはよ〜ってあんたまた授業中寝てたの?」
「気づいたらいつも夢の中なんだよね」
「あんたらしいわ」
今日も元気に睡眠学習な私。
最初のうちは起こされてたけど、最近は先生も諦めたのか、何も言われなくなった。
テストの点数は、聞かれたくないことランキングの上位に君臨する。
「そんなことより名前!今あんたの噂でもちきりよ!」
「…?」
「エース先輩のことよ!体育祭で名前と仲良くしてるのを見たって色んな人が言ってるわ!」
「まあ、仲悪くはないと思うけど」
「今ね、皆名前とエース先輩が付き合ってると思ってるのよ!」
「まじで…?」
そう言えば、体育祭以来周りの目、特に女子生徒からの視線を感じるときがある。
その中には、話したこともないような先輩もいた。
でもとりあえず何もしてこないからスルーしてたけど。
そういうことだったのか!
「ま、どうせ知らないんだろうと思ってたわ」
「うん。視線を感じるときはあったけど、私が体育祭以来一番気にしてたのは残念ながら足の筋肉痛だから」
「筋肉痛って…あんたねぇ……。まあ名前のそういうところ好きだわ」
「なんか告られたー!私もナミ好きだよ!!」
かわいいよ!
超かわいいよナミ!
そんで胸でかいよナミ!←
ぎゅーっと抱きしめあって友情に浸っている私たちは、周りから見たらそうとうおかしいに違いない。
ナミは私から離れると言った。
「じゃあどうせエース先輩と付き合ってるなんてのもガセネタよね?」
「オフコース!」
「そっか。なんだつまんないの。せっかく名前にも春が来たと思ったのに」
「ナミ、今は春というかもう初夏だよ」
「そういう意味じゃないわよ!」
「知ってる」
ナミはまじめだからなー。
どう見てもツッコミ属性だし。
だからからかうのが面白い。
まだ笑ってたらナミに睨まれた。
はい、すみませんでした。
私が悪かったです。
(やっぱり先輩モテるんだなー)
(どんだけたくさんの人に嫉妬されてるんだ)
20111025
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