人間の性というものはきっと好奇心の延長なのだと思う。
未成年の飲酒や喫煙、強姦、薬物、万引き。これらは全て好奇心の延長だ。

「じゃあ俺とこうしてセックスするのも好奇心の延長?」


今さっきまで自分と体を繋げていた相手は煙草を吹かしながらそう言う。

「多分そうだと思う」


正直にそう言うと多分かよ、と相手は笑いながら呟いた。

「どうせお前だってそうなんだろ?」

そう言うと相手は目を細ませながらんー、と唸り「多分そうだと思う」とぽつり。呟いた。


「なんだよ、お前もじゃねーか」
「ただの真似だよ、本気にすんなって」

俺に手を伸ばしたあいつの指は骨ばっていて、ふと視線を指から上に向けるとあいつに首を絞められた。
息ができなくなる。頭がキリキリ痛くなって何かが落ちそうになる。
その刹那、首から手が放された。
「ッ、ゲホッ」

数回咳込んだ俺の顔をあいつは「ごめーん、手加減したつもりだったんだけど」と笑いながら覗き込んだ。

「死ね」
「死なない。つかムラムラしてきたからもう一発しようよ」
「はぁ?ちょっ、まっ」
「むりー」


あいつはきっと俺のことが嫌いだ。だって好きだったら相手の体をまず気にかかるもんじゃないの?

目が覚めて時計を見たら受けるはずの講義が終わっていた。
ああ、グッドバイ、俺の単位
あとごめんなさい父さん母さん



20120422