頂き物 | ナノ

「津軽ー!暑いからあいす食べるー?」
「………食べる。」

御座を敷いた床に座りパラパラと読書している津軽に、サイケはキッチンから声をかけた。

津軽の返事は呟くほどだったが、聞こえたのか、または「食べる」と言うのがわかっていたのか。

サイケは両手にアイスを持ってリビングにやってくると、津軽の隣に座った。

「これ味違うからさ、半分こしよー!ね?」

こくん、と津軽が頷くのを確認すると、サイケはアイスの真ん中に線を入れ半分にする。

「こっちがてぃらみす味でー、こっちが抹茶ー。津軽どっち先に食べる?」
「……てぃらみす。」
「津軽は好きなもの後だもんねっ!」

にこっ、と笑うと、ティラミスのアイスとスプーンをサイケは手に持った。

先に食べると言ったのに何故サイケが持っているのか。
津軽が首を傾げていると

「はい津軽、あーん!」

と言って、サイケは掬ったアイスを差し出した。

拒否するかと思ったが、津軽は顔を真っ赤にしおろおろした後、恐る恐るくちを開け、スプーンに食らい付く。

「おいしい?」
「……………うん。」

こくっ、と首を縦に振りながら返事をする津軽。

「えへへ、津軽かわいいっ!」
「ん、」

ちゅっ、と軽く津軽の唇にキスすると、またもサイケはえへへと笑う。

「津軽もおれにあーんして?」

抹茶のアイスとスプーンを津軽に渡すと、サイケはあーんと口を開いて待っている。

津軽は少し恥ずかしそうにしたが、スプーンでアイスを掬うと、サイケの口に近付けた。

「リア充爆発しろ。」

そんな二人のイチャイチャっぷりに苛々してきた俺は、二人に聞こえる音量で怒気を含みながら言ってみる。

それを耳にした津軽は、首を傾げながらこっちを見上げてきた。

……くそっ、シズちゃんと全く同じ顔しやがって!

パクっ、と津軽が差し出したアイスを口に入れると、サイケは津軽にこそこそと耳打ちする。

「いざやね、シズちゃんと喧嘩したからイライラしてるんだよ。」
「聞こえてるから。」
「マスターと喧嘩したのか?」

イラッ。

まぁ、確かに喧嘩したけどね。
いつもの事と言ったら確かにいつもの事だけどさっっ!!

「でもおれはね、いざやが悪いと思うよ!いざやがもっとシズちゃんに愛情をあげればいいと思う!たとえばーこんな感じーっ!」
「きゃうっ!」

「死んでくれないかな。」こんな感じ、と、サイケはぎゅーっと津軽を抱き締めた。
ついでにまたキスするし。

あああ暑苦しい!!!!!
こんな暑いのにひっつくなぁぁぁぁ!!!!!!!

なんかもう勝手にやってろ!
と苛々してきて、俺はくるっと椅子の向きを変えて、少し温くなってきたコーラララを飲んだ。

全く、そんなの俺だってわかってるっつの!
だけどシズちゃんは抱きつくと起こるし…まぁ恥ずかしがってるからってのはわかるけどね。
そんなところがまた可愛いんだけどね!

はぁぁぁぁ、シズちゃん早く帰ってきてくれないかなぁ…。





真逆の瓜二つ

(津軽あーん!)
(あー…)







ミズキ様より10万打フリリクで頂きました!!!
もうサイ津が可愛すぎて爆発しそうです//
ありがとうございました!これからもよろしくお願いしますね!



[*前] | [次#]