頂き物 | ナノ


北海道某所にて、俺折原臨也は今日、小さくなったシズちゃんと旅行に来ましたー、可愛いよシズちゃん!
シズちゃんって子供の頃は力も弱かったらしく、今はこの俺にしぶしぶおとなしく抱っこされてます、可愛いよシズちゃん!
まぁ、抱っこはしぶしぶでも旅行は楽しみだったみたいで、とっても嬉しそうです、可愛いよシズちゃん!
おや、シズちゃんってばお腹空いたみたいだね、可愛いよシズちゃん!
今からファミレスでご飯食べて来まーす!


(折原臨也の素敵で無敵ブログより抜粋)




誰か警察を呼べ




「いらっしゃいませ!二名様ですか?お煙草にお吸いになりますか?」
「禁煙席でお願いします」
「かしこまりました!」


あはー、シズちゃんってば今禁煙席って言葉に反応したー。
シズちゃんに煙草吸わせるわけないでしょ?
そもそもちっちゃいシズちゃんが吸ったら犯罪だからね!
俺はシズちゃんを隣に座らせると、一緒にメニューを捲りながら言った。


「さぁ、シズちゃん何食べたい?お子様ランチ?お子様ランチだね!分かった頼もう!」
「しねだまれうぜぇ」
「冗談なのに…」


シズちゃんが眉間に皺を寄せて上目遣いで俺を睨む。
あぁ、お子様ランチ食べてるシズちゃんも見たかったけど、今のシズちゃんも可愛かったから妥協してあげる!
俺はそんなことを思いながら、メニューを決めて店員を呼んだ。


「お待たせいたしました!ご注文をどうぞ」
「季節のパスタ、スープ付きと」
「チーズハンバーグ…」


可愛ッ…!!!!
チーズハンバーグって可愛い…!!
もじもじしながらむすっとするシズちゃん。
俺は店員にメニューを渡しながらシズちゃんのぷにぷに頬っぺをつついた。
もう、ホント可愛いなぁ!


「では、少々お待ちください」


ペコリと頭を下げた店員。
シズちゃんは俺に頬っぺたをつつかれながら、その店員の方をじーっと見ている。


「どうしたの?」
「いや、なんかしんらのこえににてたなぁって…」
「あぁ、確かに眼鏡だしね!」





「ああああ…!!超可愛かった…!!」


裏に戻って来るなり、小鳥遊くんが顔を赤くして堪えていた感情を爆発させた。
「何が?」と僕が尋ねると、小鳥遊くんは聞いてくれと言わんばかりに言った。


「3番テーブルのお客様、小さい子連れてて!その子ったら来店した時抱っこされてたんですよ!?しかももじもじしながらメニュー言ってたし、もうホント可愛かったです!」


軽く、小鳥遊くんが「へ」から始まって「い」で終わる危ない人に見えた。


「それにしても、さっきの男の人誰かに似てる気が…」
「え、誰に似てるの?」
「うーん…全身真っ黒って感じだったし、どことなく胡散臭そうな…あ!」
「?どうしたの?」
「相馬さんに似てるんです!」


…え、僕?
て言うか、胡散臭そうって君失礼だよ?
せめて本人のいないところで言ってよ。


「声も似てたし」
「取って付けたようなフォローだね?」
「やだなぁ、事実ですよ!」


ちょっとカチンと来たから昔の女装の写真をちらつかせたら、すんなりおとなしくなったよ!


「それで、その子はどこに?」
「3番テーブルです」


小鳥遊くんの指差す方を見た。
そこには、焦げ茶色のふわふわの髪をした小さな男の子と、その男の子の頭をなでなでしている男性。
僕に似てるってどの辺!?
…て言うか兄弟?家族?親戚?


「ま、あの男の子もそれなりに可愛いけど、うちの佐藤くんが一番だよ」
「親バカですね」
「佐藤くんバカって言ってほしいな」
「うるせぇばか」


げしっ
いきなり後ろから蹴られて、僕は思わず転けそうになる。
なんとか持ちこたえてみると、後ろにいたのは佐藤くんだった。


「あ、佐藤くん!ダメだよぉ?人を蹴ったりしちゃ、めっ!」
「相馬さん、流石にそれは気持ち悪いです」
「だまれそうま」
「ああああああ!もうホント佐藤くん可愛いよおおおお!」
「は、はなせそうま!」


僕はむすっとしている佐藤くんを思いっきり抱き締めた。
あぁ、このもちもち感が堪らない…!


「3番テーブルの子より断然可愛い!」
「それは聞き捨てならないなぁ」
「「「え?」」」


気が付いたら、3番テーブルのお客様が腕を組んで僕を睨んでいた。
「ちょっ、ちょっとお客様!?」
「トイレに行こうと思ってたら、なんだか楽しそうだったんで失礼しちゃいました。それにしても、さっきの貴方は発言は聞き捨てならないなぁ…」
「え、僕?」


僕の佐藤くん可愛い発言?とお客様に尋ねると、お客様は首を横に振った。


「可愛いものを可愛いって言うのは否定しないよ。ただ、俺が言いたいのは『シズちゃんより断然可愛い』って発言を撤回してくれないかなってこと!」





ちょっ、ちょっとちょっとこのお客様何!?
なんでいきなり割り込んで来て「うちの子の方が可愛い」発言してんの!?


「へぇ…」
「そ、相馬さん…?」


相馬さんはいつもより低い声を出す。
な、なんか相馬さん怖くないか…?


「まぁ、確かに貴方のところの子も可愛いですね…しかし!やっぱりうちの佐藤くんが一番可愛いッ!!」
「はぁ?君シズちゃんのあの可愛さが分かんないの?かっわいそー!いい眼科紹介しようか!?」
「そういう君こそ、佐藤くんの可愛さが分かんないんだ?早く精神科行っておいでよ?手遅れになるよ?」


って、おいぃいいい!?
なんで相馬さん反論してんだよ!?
普通店員が折れるだろ!!


「はぁ?君の方がどうかしてるよ?シズちゃんはね、プリンとシェイクが大好きで、食べてる時の笑顔とかホント可愛いんだから!」
「それなら佐藤くんだって!タバコ吸えないからってチョコレートのタバコくわえたり、僕のお手伝いするってたどたどしい手つきで卵割ってくれるんだよ!?佐藤くんはワグナリアの妖精だね!」
「あ、残念!シズちゃんは天使ですー!池袋最強の天使ちゃんですー!シズちゃんマジ天使!」
「あ、いっけない間違えた!佐藤くんはワグナリアの聖母だったよ!今は子供の姿してるけど、ホントはマリア様なんだった!」
「残念!さっきシズちゃんは女神様に昇格しましたー!可愛い可愛い女神様になりましたー!」


うわわ…!!
なんかだんだん頭の悪い(て言うか痛い)言い合いになってきた…!!
見てるこっちが頭痛くなるよコレ!
俺は2人を宥めたいが、近づきたくない雰囲気なので、なかなか踏み出せずにいた。
すると、小さい2つの影が俺の視界の端っこに現われて、


「いざやいいかげんにしろっ!」
「そうまもだまれ」


痛い2人を嗜めた。
て言うか、佐藤さんがその子、えっとシズちゃんだっけ?を連れてきたんですか!?
手を繋いで連れてきたんですか!?めちゃくちゃ可愛、


「シズちゃん可愛いっ!」
「佐藤くん可愛いっ!」
「わっ、ばかはなせ!」
「そうま、くるし…!」


…あ、バカ2人が可愛い2人を抱き締めて、あまつさえ頬擦りしてる…。
もうあのバカ2人、幼児誘拐犯にしか見えないな…。




誰か警察を呼べ




「おい小鳥遊、あれはなんだ?」
「変質者2人と被害者2人です…」
「よし、警察呼ぶぞ」





「シズちゃんラブ!」
「佐藤くん大好き!」
「はーなーせー!」
「はなせそうま!」




(あのバカ2人もそうだけど、佐藤さんとシズちゃんも似てるなぁ…)





充電期のぺこ様より頂きました!
リクは相ショタ佐+臨ショタ静でうちの子自慢です^^^←
作品をコラボなうえにむちゃ振りなリクを書いて下さってありがとうございます…!
もう佐藤くんも静雄も可愛すぎて頂いた時は昇天しそうな勢いで喜びました!
本当にありがとうございました^//^
これからもstkさせて頂きますので覚悟して下さいね!v←



[*前] | [次#]