頂き物 | ナノ

※労働!!佐藤さんと首!!静雄。CP色は薄め





いつものように静雄が池袋で歩いていると、ガイドブックと地図を見てうろうろしている人物を見た。

煙草をくわえ、金髪にしている人物を見て、ちょっと自分に似てるかも、なんて思っていると、その人物と目が合った。

「…あの、すいません」

すると、向こうが話し掛けてきた。

静雄は戸惑いつつも、彼の話を聞く事にした。

「このライブハウス、何処だか分かりますか?」

見せられたのは一枚のチケット。
そこに書いてあった名前を、静雄は見た。

「どれ…あぁ、今から行くとこだ」

ちょうどその場所は、トムと合流する地点だった。

「ついでだから、案内してやるよ」

「え…良いんすか」

「ついでだから、良いんだよ」

顎で促した静雄に、青年は少し距離を置いて歩き出す。

「どうもっす。地図見ても全然分かんなかったんで」

「そうか。見ない顔だとは思ってたけど、どっから来たんだ?」

「北海道」

「ほっ!?…わざわざすげぇなぁ…」

池袋で生まれ育った静雄にとって、北海道は未知の世界で。
ただ漠然と脳内には、広大な大地と美味しい食べ物が思い浮かんでいた。

「…好きなインディーズバンドが、初めてライブするってーんで、来たんです。馬鹿みてぇだけど」

ポツリと青年が溢した言葉に、静雄は紫煙を吐き出して言った。

「馬鹿じゃねぇよ。良いんじゃね?そんだけ好きなものに打ち込めるってーのは」

静雄の言葉に青年は目を丸くして、少し目線を逸らした。

「…どうも」

「いや、礼言われるような事してねぇし」

何でもない風に言う静雄を、青年はチラッと見た。

「…アンタ、いい人だな」

「そ、うか?」

見ず知らずの相手にそんな事を言われて、静雄は何だかくすぐったい気持ちになった。

「少なくとも、俺の周りには、あんまいないんで…」

「そうなのか…?」

ちょっと陰りがある表情に、静雄は何だか青年が可哀想に見えた。

「…なぁ、お前、名前は?」

「…佐藤潤」

答えた青年、こと佐藤に、静雄は

「これやるよ」

「え」

と、渡してきたのは、100円ライターだった。「お前も吸ってるだろ煙草。やる」


「やる、って…」

佐藤が手のひらの物に呆気にとられていると、静雄は足を止めた。

「ここだぞ」

と、指を指したのはお目当てのライブハウスだった。

「あ、どうも…」

「いや、礼言われるような事してねぇし」

何でもない風に言う静雄を、青年はチラッと見た。

「…アンタ、いい人だな」

「そ、うか?」

見ず知らずの相手にそんな事を言われて、静雄は何だかくすぐったい気持ちになった。

「少なくとも、俺の周りには、あんまいないんで…」

「そうなのか…?」

ちょっと陰りがある表情に、静雄は何だか青年が可哀想に見えた。

「…なぁ、お前、名前は?」

「…佐藤潤」

答えた青年、こと佐藤に、静雄は

「これやるよ」

「え」

と、渡してきたのは、100円ライターだった。

「お前も吸ってるだろ煙草。やる」

「やる、って…」

佐藤が手のひらの物に呆気にとられていると、静雄は足を止めた。

「ここだぞ」

と、指を指したのはお目当てのライブハウスだった。

「あ、どうも…」

佐藤が礼を言うと、静雄は笑った。

「じゃあな、楽しんで来いよ」

手を振った静雄は、佐藤を置いてその場から離れた。

静雄の先には一人の男がいて、どうやら彼が待ち合わせ相手のようだ。

佐藤は手のひらのライターを握り締めて、ポケットに入れた。

「…また、逢えっかな」


小さく呟いて、佐藤はライブハウスへと入っていった。





End





碧の世界の葵様から頂きました!!
リクエストは佐静です^//^←
2人とも可愛くてニヨニヨが止まりません!!w
ドマイナーCPにも関わらず快く書いて下さった葵様に感謝です…!
素敵な佐静をありがとうございました!!!v

そして改めて相互ありがとうございました!
これからもよろしくお願い致します!





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