「まいう棒うっめぇ…」

「でしょー?」

「まいう棒はいいんだけど、アツシはその姿から元に戻れるのかい?」

「え、しんない」

「他人事のように言うのやめようよ紫原。まぎれもなく自分事でしょ」

「だってほんとにとつぜんだし」

「それにしてもファンタジーだね、いきなり姿が小さくなるなんて」

「どっちかってーと、SFの気がする…」

「おとぎ話なら、王子様のキスなんかが定番なんだけどね」

「むろちんおれおとこなんだけど」

「先輩けっこー乙女思考だね」

「……試してみようか」

「えっ」

「えっ」

「だれと?だれが?えっおれが?」

「先輩思い切った事するね、さすが帰国子女はスケールが違う」

「え、オレじゃなくて」

「えっ」

「オレな訳ないだろ?アツシは男なんだから、頼んだよ、オヒメサマ?」

「……はい?」
   
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