ベルケンドであいつと再開した。俺の玩具と。


「がはっ!!…っ…!!」


アッシュの腹に蹴りを一発。勿論、手加減せずおもいっきり。顔を歪めながら、アッシュは地面にうつ伏せに倒れた。

この一夜をくれたジェイドに感謝しないとな。まぁ、向こうは何も知らないけど。

俺はアッシュの髪を引っ張り、顔を上げる。


「てめぇ…後で覚えとけよ…!!」
「よく言うねぇ…自分から俺の部屋にノコノコやってきて…苛めてくださいって言ってるようなもんだろ」
「だ、誰がんなこと…!!」
「それとも…俺に期待でもしてんのか?ドMなお坊ちゃんよ」
「なっ…!?」


俺はアッシュの服に手をかけ、脱がそうとする。まだ俺の印はあるんだな。


「お前…何しやがる!!」
「お前が望んだことだろ?」
「望んでねぇ!!!」


まだ否定するのか。懲りない奴だな。お仕置きが必要か…?


「ご主人…いや、持ち主の言うことは聞くもんだぜ?」
「何のことだ…!!」
「忘れたのか?この印は俺の証。てことは、お前は俺の玩具なんだよ」


俺は薄く消えかかった印に口付けをし、また印をつける。今回は次会う時までに残るように濃く…。


「ん…」
「感じてんのか?」
「だ、誰が…!!」
「おいおい…自分の持ち主に口答えしていいのか?口答えする奴にはお仕置きが必要だな」
「!?…や、やめっ…!!」


俺は机の上に置いてあったナイフをアッシュの右手に突き刺した。ナイフは右手を貫通し、床に到達している。アッシュは他の部屋にまで聞こえそうなぐらいデカい悲鳴を上げた。


「少しは声抑えろよ。他の奴らにバレてもいいのか?まぁ、バレてこの哀れな姿をあいつらに見られるのもいい恥だよな」
「てめぇ…!!」
「あー、そうそう。隣の部屋はナタリアだから」
「!?」


まだナタリアに反応するのか。忘れたのか?ナタリアはもうお前を見ない。それでも想うお前は哀れで笑えてくる。


「いっそ、ナタリアにこの哀れな姿を見てもらうか?」
「そ、それだけは…!!」


俺はナイフを少し動かしながら、えぐるようにしてゆっくり引き抜いた。


「ああっ…!!」


なんだ…声抑えやがったな。そんなにナタリアにバレるのが嫌なのか。


「もう…止めろ…!!」
「俺に命令出来る立場じゃないだろ?」
「…ッ…!!………もう…止めてください…」


本当に言いやがった。もうこいつのプライドはボロボロだな。


「今日はこの辺にしといてやるよ」


そう言うと安心したような顔をするアッシュ。

本当、こいつは…ムカつく奴だな。


「次は俺を怒らせないように、せいぜい頑張るんだな」
「怒らせない、だと…?」
「今回の俺は…本当はお前を殺したい程、怒っていてねぇ…まだ遊びたかったから生かしてるだけだ」
「俺がいつそんなことをした…!!」
「ヴァンの前でお前がルークに放った言葉。あの場で殺してやりたいと思ったぐらい怒ってたんだよ、俺は」


ルークを出来損ないやそんなこと言いやがって…出来損ないはオリジナルのお前の方だ。


「あと…ナタリアに何もすんなよ?ナタリアとルークの邪魔はさせねぇからな。邪魔したら…どうなるか分かってるよな?」


アッシュの顔は青ざめていた。

俺がそんなに怖いか?そうだ。もっと俺を怖がれ。そして、俺を楽しませろ。哀れな玩具さんよ…。





遊びは終わらない
遊びはまだまだ続く





ガイはルークに幸せになってもらいたいからルークとナタリアの恋を応援中。