「お前が本物のルークとはな」


俺の憎い奴はルークじゃなかった。ルークはアッシュのレプリカ。アッシュこそが本物のルークだった。

良かった…ルークを傷つけなくて…。


「それがどうした」
「俺はお前が嫌いだ」
「!?」


気付いていなかったような顔だな。俺はアッシュが嫌いだ。俺の復讐すべきファブレの息子だから。

アッシュに近付くとアッシュは俺の殺気に気付いたのか、俺が近付くごとに後ずさりをする。そして、アッシュを壁に追いつめた。


「な、何だ…!!」
「お前には怨みがあってな。だが、今は殺さないでやる」


俺はアッシュの服を掴む。そして、唇を近付け、首元に吸い付く。


「なっ…!?や、やめ…ぁ…!!」


アッシュの首元に赤い印を一つ作る。


「てめぇ…何を…!!」


そんな言葉も聞かず、俺はもう一度、別のところに印をつける。これは俺の印。これでこいつは俺の物。俺の玩具。


「やめっ…あっ………ナタ、リア…」


小さくこいつが呼んだ名前。嗚呼、そうか…こいつはナタリアが好きなのか。でも、残念。ナタリアはもうお前を見ていない。ナタリアはもう…ルークしか見ていない。


「残念だな、お坊ちゃん。もうお前の愛しの人はお前を見ちゃいねぇ」
「なっ…!!」
「だから、お前は俺の物だ。俺の玩具だ」


そして、強引に口を塞いだ。乱暴に噛み付くようにキスをする。


「もうお前は俺から逃げられない」


逃がさない。死ぬまでずっと。俺たちを繋ぐ銀の糸のように。





俺だけの玩具
お前を殺すのは俺だ