全てがどうでも良かった。最高の食事を貰っても。最高の居場所を貰っても。最高の愛情を貰っても。何もかもどうでも良かった。

ジェイドがいないから。ジェイドさえいれば、何もかもが最高なものになる。そのジェイドがいない。俺にとっては全てが終わったと同じこと。

もう会えないのか?なぁ、ジェイド…俺、お前がいないと…生きていけない。ジェイドを愛しすぎたせいで今の俺はただの人形だ。でも、人形にだって意思はある。だから、会いに行く。今すぐ…。







「………ルーク…?」


部屋にルークの姿はなかった。

嗚呼、そうか。やはり俺じゃ駄目だったってことなんだな。初めから分かってたさ。でも、やってみないと分からないだろ?分かっていたことでも、悲しい。本気で…愛していたから。

でも、ルークも本気でジェイドを愛していたんだよな。悪かった、ルーク。お前を傷つけて。悲しませて。愛してる奴を傷つける俺は…何て罪人なんだろう。本当に悪かった。

だから…叶わなくてもいいから…お前のこと、愛し続けてもいいか…?







「ジェイド…!!」
「ルーク…?」


陛下の部屋から抜け出した俺はジェイドの所へ行った。ジェイドは俺の顔を見ると、珍しく目を大きく見開いてた。そして、痛いほど強く抱きしめた。

すみません、陛下…陛下の想いは痛いほど分かった。でも、俺は…ジェイドのことが…。


「ジェイド…い、痛い…」
「……………」
「…ジェイド?」


痛いと告げても返事が返ってこない。俺は不思議に思って、ジェイドの名前を呼んだ。


「ルーク」
「ジェイド?」
「ルーク」
「どうしたんだよ、ジェイド…」


ジェイドは何度も俺の名前を呼ぶ。俺は呼ばれる度に返事を返す。


「なぁ、ジェイド、どうしたんだよ…!!」
「…名前を呼んで返事が返ってくることは…こんなにも嬉しいことだったんですね…」
「ジェイド…?」
「返事が返ってくることに慣れすぎてたみたいです。もう…貴方を放したくありません」
「俺も…もうジェイドから離れたくない…」


泣きそうだ。こんなにもジェイドが近くにいるということに。もう離れたくない。ずっと…傍にいてほしい。


「もう…貴方を裏切ったりしませんよ、ルーク…」


それは、





誓いの言葉
貴方の傍にいる、と…