「ジェイド。お前はルークと共にいる資格はない」


陛下にそう告げられてから数日が経った。この数日間、一度もルークと会っていない。見かけてすらいない。

陛下がルークを愛していたのは知っていた。それが、まさかこんな形で奪われるとは考えもしなかった。

けど、否定出来なかった。私とルークが共にいることに対し…陛下の言うとおり、私は一度ルークを見捨てた。そんな私はルークの傍にいることを許されない。

…いや、私はそれ以上の罪をした。ルークに告げた最後の言葉。私は、彼を傷つけた。あの時のルークの表情。思い出す度に会いたくなる。

別れたくない。傍にいてもらいたい。けど、それはもう儚いものとなった。私は裏切り者。ルークを一度でなく二度も裏切った裏切り者。今の私はもう…ルークの傍にいてはいけない。


「ルーク」


そこにいない彼の名を呼ぶ。勿論、返事は返ってこない。

また聞きたい、あの無邪気な声を。また見たい、あの無邪気な表情を。それは、もう出来ないのか?もう戻れないのか?戻りたい。前のように。

ルークに、彼に、会いたい。





私は裏切り者
貴方のことで
全てが狂いそうだ