中には大量の犬…チーグルがいた。チーグルたちは入口を塞ぎ、ずっと鳴いている みゅうみゅうみゅうみゅう……………す、すげぇ数…!
「通してくれねぇか?」 「魔物に言葉なんか通じるのかよ」
すると、奥の方にいるチーグルがみゅうと鳴いた。その瞬間、俺たちの前にいたチーグルたちが道を開けた
「…ユリア・ジュエの縁者か?」
す、すげーー!!!魔物が喋った!!!
「おい、魔物が喋ったぞ!」 「ユリアとの契約で与えられたリングの力だ。お前たちはユリアの縁者か?」 「はい。僕はローレライ教団の導師イオンと申します。貴方はチーグル族の長とお見受けしましたが」 「いかにも」
長老は人間の言葉が喋れるのか…スゲーな…ノイシュも喋れたらなぁ…
「おい、魔物。お前ら、エンゲーブで食べ物を盗んだだろ」 「なるほど。それで我らを退治に来たという訳か」 「じゃあ、やっぱりお前たちが…!?でも、退治しに来たわけじゃねぇよ!何か意味があるんだろ?」
みゅうみゅううるさいけど、こいつらは悪い奴じゃなさそうだ。食べ物を盗むなんて考えられない
「チーグルは草食でしたね。何故人間の食べ物を盗む必要があるのです?」 「…チーグル族を存続させるためだ」 「食べ物が足りない訳ではなさそうね。この森には緑がたくさんあるわ」
ティアがそう言うと、チーグル族の長は話し出した
チーグル族の仲間が北の地で火事を起こしたせいで、その一帯を住み処にしていたライガたちが住み処を奪わた そして、チーグルたちを餌とするためにこの森に移動してきた チーグルたちは仲間がライガに食べられないように村の食料を奪っていた
「ふん、知ったことか。弱いモンが食われるのは当たり前だろ。しかも縄張り燃やされりゃ頭にも来るだろーよ」
確かに…ルークの言うことも当たってる…でも………
急にイセリアのことを思い出した。俺も…俺のせいで村の皆を… どうしたらいいんだ?ルークはチーグルを捕まえようとしているし… でも、チーグルがいなくなったらライガっていうモンスターが人間も襲うかもしれない………そうだ!
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