そして、俺たちが先に進もうとしたとき、足音が聞こえた
速度が速く、こっちに近付いてきている。モンスターじゃない…?

俺たちは来た道を振り返った。そこにはエンゲーブにいた男と女がいた
男の方はルークだったよな…女の方はなんていうのか知らねぇけど
2人は肩で呼吸をするほど息を切らしていた。追いかけてきたのか…?


「あなた方は…確か昨日エンゲーブにいらした…」
「ルークだ」
「ルーク…古代イスパニア語で聖なる炎の光という意味ですね。いい名前です」
「私は神託の盾騎士団モース大詠師旗下情報部第一小隊所属ティア・グランツ響長であります」
「!?…貴方がヴァンの妹ですか。噂は聞いています。お会いするのは初めてですね」


女の方がティアって言うのか…で、ヴァンってのが確か…神託の盾騎士団の首席総長だよな…


「はぁ!?お前が師匠の妹!?じゃあ殺すとか殺さないとかってあれはなんだったんだよ!?」
「殺す…?」
「何の話だよ…」
「あ、いえ…こちらの話です」


話を逸らすティア。何かまずいことなのか…?


「話を逸らすな!なんで妹のお前が師匠の命を狙うんだ?」
「それは…」
「まぁ、いいじゃねぇか!人には話したくないことが1つや2つあるもんだぜ?」


俺は2人の会話に割り込んだ。誰だって言いたくないことがあるに決まってる
だから本人が言おうと思ったときまで待てばいいだろ