これらのお話の番外編的ポジション。
 
 
 
"幸"と"ことみ"。二つの名前を持つ真っ白な子猫。
飼い主である安野の家へ月に数日訪れてはことみと戯れる。隣では安野が変わらず微笑んでいる。幸せだ。愛しの安野とことみに会えるのだからな。
 
 
「…オイ源田、お前犬派じゃなかったのかよ」
 
 
昼食時間まで惚気と親馬鹿な話を延々と聞かされている佐久間はうんざりとした顔で俺を見た。そうだ、確かに数ヶ月前の俺は犬派だった。いや勿論今でも犬は大好きだ。だが同じくらい猫も大好きなのだ。
 
「犬と猫と同じくらい安野のことも好きなんだろう、どうせ」
「…む、どうしてばれたんだ?」
「顔に書いてあるんだよ、バーカ」
 
溜息を吐くなり廊下を見てひょいと立ち上がる。俺も続いてその視線の先を辿ると、噂をすれば何とやら。安野の姿があった。校内で彼女の姿を見れるなんてラッキーだ。教科書を数冊持って友人と歩く姿が絵になるな…などと考えていると佐久間が彼女を呼び止めた。何をしでかすつもりなんだ。
 
「あー安野、あんたって源田の野郎のどこが好きなの?」
「さっ…佐久間!!」
 
何て失礼な奴なのだ佐久間は。いきなり初対面の、しかも女子にそんな口の利き方をしないだろう。鬼道の指導不足だな。後で報告しなくては。
……と、本題はそこではなく、何てことを聞いているのだ佐久間は。いきなりそれは亡いだろう。彼女にだって恥じらいというものがある。現に彼女は友人の前でそんなことを聞かれて顔を赤くさせているではないか(それはそれで可愛らしいのだが)。
 
俺の心の独り言など佐久間には聞こえるはずもなく、かといって場の雰囲気を和ませることも出来ず俺は傍でおろおろとするしか出来なかった。嗚呼情けない。「で、どうなの」と佐久間の追い打ちから少し間を置いて安野は。
 
「犬っぽいところ…かな」
 
そう、顔を更に真っ赤にさせて友人と共に俺達の教室の前から去っていった。犬っぽい、ところ…?自分の特徴を形容した言葉の筈なのに、俺には全く理解できない。傍らでは妙に納得している佐久間と、いつの間にか鬼道がいた。
 
 
源田幸次郎は犬か猫か
 
 
 
「成る程、犬か。よくも上手く表現できたものだな」
「鬼道、どういうことだ?」
「源田はわからなくてもいい」
「佐久間…」
「人なつっこいって意味だろ」
「そ、そうか!人なつっこいか!!」
 
((そうやって尻尾振って喜ぶところとかな))
 
 
 
 
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何が言いたいのかよくわからなくなってしまった^q^



2011.0328





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