今日の美希は酷く機嫌が悪い。理由は親との喧嘩らしい。
自分の家に居たくなくて俺の家(徒歩15秒)に逃げ込んできたとみえる。
 
「・・・美希、おやつ食べるか?」
「・・・・・・食べる。」
 
俺が美希に明日あげようと思っていたおやつを差し出すとすんなりと受け取った。
どうやら俺に八つ当たりしに来たわけではなさそうだ。昔と比べればだいぶ大人になったな。
さっき美希の親から電話がきた。美希が家にいるというのはもうお決まりのパターンで、"美希をお願いね"と命を請けたため、どうにか美希をなだめなくてはならない。
 
「美希、もうそろそろ落ち着いたか?」
 
無言。まるで家に連れ帰されるのを恐れているかのような静寂ぶりだ。だがそうはいかない。
 
「素直に謝れば良い話だろう?それで済むんだから」
「・・・でも私、悪くないもん」
 
美希はこの一点張りで、一向に帰ろうとしない。
 
「よし、じゃあ謝れたらご褒美をやろう」
 
俺は半ばやけくそになりこう言うと美希は食いついてきた。
ほっとしたのもつかの間、美希はとんでもないことを言い始めた。
 
「じゃあ謝ったらキスしてね」
 
 
ご褒美のキス
 
 
絶対だよ、と言い残して美希は帰宅した。
提案してしまったのは俺だし、これで美希がおばさんに謝るのだったら俺の唇など安いものだと考えるのが普通なのだろうが・・・。
俺のファーストキスがご褒美で、美希はいいのだろうか?
 
 
そんなことを悶々と考えているうちに俺の携帯は美希から仲直り完了のメールを受信した。
 
 
 
 
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機嫌悪いのは私です!!源田君!!
仲直りしたら良い事あるのだろうかとか考えていたらこうなった!!何でこうなった^^^^^^^
 
 
 

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