音もなく降り積もる雪。 教室の窓は外との気温差で結露して、窓を拭う指先に雫が滴る。 今日は席替えをした。 あたしの席は窓側の最後尾。隣に暖房があって、窓際は冬の特等席だ。 前の席の男の子は今年初めて同じクラスになった涼野風介くん。まだ一回も話したことないけど、南雲くんとは正反対で物静かで、季節に表すと秋か冬が似合うんじゃないかと思う。 「よー中野!!良い席当たってんじゃんか!!」 南雲くんとは仲が良いからよく話す。 「うん、南雲くんは廊下側だから寒いんじゃない?」 「そうなんだよ、ったく。俺寒いの苦手なんだって。」 南雲くんはふと視線を私の隣に向けた。視線の先には机に突っ伏した涼野くんがいて、南雲くんは何か思いついたような顔をして、にやりと笑った。 「おい風介、よかったなー中野の前の席」 そしたらそれまで少しも動かなかった涼野くんがガバッと起きて、南雲くんを睨んだ。 「・・・晴矢、私はこのクソ暑い席に当たって気分が悪いんだ。しょうもない冗句を言うな。」 「はっ、ヘタな照れ隠しだな〜?本当は嬉しいくせにっ!!」 何がなんだかわからなくて、あたしは涼野くんの顔を見た。 暑いのが苦手だと言っていた涼野くんはあたしの方を見て目を見開いた。暖房のせいだろうけど、顔が真っ赤だった。 席替えと暖房 それから休み時間は決まって南雲くんが私達の席に遊びに来た。 涼野くんとあたしは普通に話が出来るようになってから、南雲くんを入れて3人で一緒にいることが多くなった。 涼野くんが私に笑いかけてくれるようになってから、次の席替えがずっと来なければいいのになって思った。 -------------------------------- 学パロってみました。 あんまり涼野が喋らん・・・!! 最初の方、これ南雲フラグ立ってんじゃね?って感じですがそのつもりはございませんでした。南雲兄ちゃんです。 |