信じられません。
今私の目の前には大好きな源田君がいて、源田君は私のことを好きだと言いました。
 
「友達としての好きですか?」
と聞いたら、
「一人の女の子として、好きなんだ」
と言われてしまいました。
 
本当に信じられません。
だって、源田君はたくさんの女の子に人気があって、誰にでも優しくて。だから私なんか見てもらえていないと思っていました。そう思うと悲しくなって、何回も泣きました。今も泣いています。嬉しいからです。
 
泣きじゃくる私を前に源田君は慌てて私の背中をさすります。どこか痛かったのか、って。源田君の大きな手から伝わる体温が優しいのです。

ますます言葉にしづらくなった私の心中なんて知るはずもない源田君が、誰か人を呼んでくるから待っていてくれと、私から離れていくのがさみしくて。思わず源田君のブレザーをつかみました。
 
 
 
傍 に い て
 
 
私を好きだというのなら、もうすこしだけ。
 
あなたの体温を感じていたいです。
 
 
 
2011.04.30



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