退けるわけないでしょう
 
 
「・・・邪魔を、するな」
 
息を荒げ、ベッドを伝い立ち上がる。
立っているだけでがくがくと震えている痛々しい佐久間。
 
「俺と源田は行かなきゃいけないんだ、強くなるために」
「そんな・・・無茶だよ!!まだ入院してなきゃいけないような身体で・・・」
 
「煩い!!お前には四十年間無敗だった帝国の記録を破られ、鬼道に捨てられた俺達の気持ちなんてわからないだろう!!」
 
「なっ・・・」
「俺は強くなる、そして鬼道を追い越すんだ」
 
だから退け、と佐久間は力の入らない腕で弱弱しく美希の体を押す。
向かう先は病室の窓だ。
  
退けるわけないでしょう
 
美希は窓の淵に手を掛ける佐久間を制し、彼の前に立ち塞がった。
 
「佐久間が壊れるのをもう見たくないよ!!」
「大人しく通してやれよ美希チャン」
 
背後で知らない声がする。
振り返る前に美希は首の辺りをトンッと軽く叩かれる。
 
途端目の前の景色がぼやけた。
 
 
気が付いた時には、病室に佐久間の姿はなかった。
 
 
 
 
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うーむ、シリアスさっくんは難しい。
 
 
 


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