きっと帰ってくるから
その言葉を信じて、どれだけの時間が過ぎただろう。
貴方は優しいから誰のことも傷つけられない。
他人が傷つくくらいなら、自分が傷つくことをいとわない。
そんな貴方が私に見せた初めての我侭
「強くなりたい」
幸次郎の瞳の奥にある悔しさが伝わったから寂しさを呑んで送り出した。
旅立つ直前まで私の胸で「ごめん」と「ありがとう」を繰り返して泣いた幸次郎。
あの日からどれだけの時間が過ぎただろう。
佐久間君と一緒に、幸次郎はぼろぼろになって帰ってきた。
髪型もいつものフェイスペイントも違う、まるで私の知らない幸次郎。
「ごめん、強く、なれなかった」
あの日と同じように顔をゆがめて泣く幸次郎。
でももう私は何も感じなかった。
幸次郎が堪えていた涙を。
幸次郎の動かない腕の代わりに、拭ってあげることでしか今の私達の距離を保てない。
時間が何もかも変えてしまった。
浅はかな愛、脆すぎる強さ
自己満足だけを重ねただけの、虚しい関係
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強くなることで恋人を守れると思った源田君。
ずっと同じ環境と時間を重ねることを望んでいた夢主。
時間が過ぎて、
源田君が変わってしまったことを受け入れられなかった夢主。
恋人のために強くなれなかった源田君。
そんな切ないすれ違いが書きたかったのです。
ああああうまくかけない(><)