本当にもう、最低。

今朝は雨降ってなかったし、天気予報のお姉さんだって今日は快晴ですって言ってたじゃん。
6時間目の数学、あまりに暇すぎて窓の外見たら、雨ザーザー降ってるの。
SHR終わるまでに都合よく止むわけなくって。校内放送で次々と外部活中止のお知らせが流れるのを聞いて男子が喜んでる・・・おめでたいなー。

というかどうしよう、私今日自転車で来ちゃったし。置き傘なんてしてない。友達はみんな屋内でできる部活の子だからしばらく帰らないだろうし。
うーん、友達が部活終わるまでは、テスト前だし教室残って勉強しようかな、なんて。残念ながら私、そんなまじめキャラじゃないんだ。

じゃあどうするんだって?仕方ないから走って帰るしかないよね。家はそんなに近くないけど(歩いて40分はかかるけど)頑張って走ろう。

玄関で親待ちしてる子がすごく羨ましい。頑張ろう、私。そう意気込んで出発したはいいんだけど。 
・・・サーサーと小雨レベルにまで回復してきた天気に油断した私はスピードを落としてしまって。家まであと20分くらいの堤防に来たときにはさっきと同じくらいザーザー降りになってきちゃった。

堤防降りたところに大きい木があって、仕方ないから雨宿りすることに…。はぁ、今日の髪質好きだったのに。湿気で広がっちゃうじゃん。うー、空全体が灰色い。しばらく止まなさそう。

雨宿りしてる間暇だし携帯弄ろうと思って開いたら、風丸からメールが来てた。

『さっき走って帰るの見えたんだけど大丈夫か?』
だって。

‐大丈夫じゃないし。髪とか靴とか濡れて大変‐

返信っと。
ちょっとしたらまたバイブが鳴った。風丸返信早っ

『ドンマイ(笑)俺は今歩いてるとこ。置き傘しててラッキー』

…今の私の状況わかって言ってるなこいつ。苛々する。何よ、(笑)って。もうちょっと憐れんでよ。
あーあー!!何も良いことない!!本当、雨なんて大っキライ!!!


「俺は、雨も良いと思うけど?」 
 
…は?風丸?いつの間に隣にいたし。え、それって私の雄叫び聞かれてたってことじゃ…

「こんなとこで一人で叫んでたら電波な子だぞ、中野」

うわぁぁぁぁ、聞かれてたし!恥ずかしい!!本当にイタい子じゃん私。風丸笑ってるし。最低最低、本当、雨って最低。

「ほら、帰るぞ」

…え?
風丸さん、ちゃんと見てくださいよ。まだ雨降ってますけど。バケツひっくり返したみたいにザーザー。あああ、溜め息吐かないで…

「一緒に帰る、ってこと。早く帰らないと中野、風邪引くぞ?」

ほら、行くぞって言われたから、仕方なく、仕方なくだよ?風丸の傘の半分にお邪魔した。…恥ずかしい。これって、これって俗に言う相合い傘じゃん?風丸のファンなら泣いて羨ましがりますけど。てか気まずいじゃん、風丸なんか喋れよ。ごちゃごちゃ考えてたら頭暑くなってきたし。やば、熱出てきたんじゃないかな。クラクラする…



「俺は雨が好きだな。だって、中野と一緒に帰れるから」


雨宿り、木の下にて



…それって私、期待してもいいんですか? 
 


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