女の子を保護したと聞いたとき、シンドバッド王のことだからまた女遊びで世話にでもなったのかと思っていたわ。だけど話を聞けばその子は少し不思議な力を持っているのだと教えてもらった。
実際に会ってみたら本当にその通り。なんと言葉にすればいいのかわからないけど初めに小さな違和感を感じたの。ううん今でもそれはある。それになまえちゃんの周りにこんなにルフがいるだなんて絶対この子になにかあるはずよ!
あと、はっきり言って知識はなさそうだし魔法使いでもないからそこは少し残念だったけどね。

「ねえねえなまえちゃん、使ってみてよ!」
「や…やめてください…マジでほんとマジで」

魔法は素晴らしいのに頑なに拒否をするのは何故かしら。あ、そういえば…なまえちゃんは監禁されていたかもしれないっていう話があるのよね。そこから逃げ出して王宮に迷いんでしまったとか…。そんな彼女をシンドバッド王が見つけ保護をしたと。嗚呼もしかして魔法で怖い思いでもしてしまったのかしら。……それなら私が。私が魔法の素晴らしさをなまえちゃんに教えてあげれれば。そう思ったの。


「防壁魔法(ボルグ)が作れれば貴方は魔法使いの素質があるのよ。ちょっとずつ慣れていけば魔法が怖いものじゃなくなるわ!」
「な、なんです?ウサインだかボルトだかボルグだかわかりませんがそんな素質いりませんん!私にはないです!」
「なんで?チャレンジしてみないとわからないじゃない」
「使えない!無理無理!私を中二病に巻き込まないで頂きたい!むしろ近づかないで頂きたい!!」
「えっ…そ、んな…」
「あ、いや…あれ…ヤムさん…落ち込んでる?え?あ、あの、じょ冗談です、ハハッやだなぁ冗談だってば」
「ふふ!そうよね!わかってるわよ!もうなまえちゃんシャイなんだからぁっ」
「猫被りかよチクショウ!」

キッとこちらを睨んでるみたいだけど、驚きたいほど怖くない。反応が一々面白いからついついからかっちゃうのよね。だから私が悪いわけじゃないわ。これが私のスキンシップなのよ!

「ヤムさんとよろしくしたのは間違いだった…!」
「やだわあ照れちゃうじゃないっ」
「褒めてないけど!気づいて!今ぜんぜん褒めてないよ!!」

魔法を知らなければ教えればいい。そうすれば自然と魔法防壁ができるかもしれない。そうしたら魔法使いの素質があるってことになるし。あの不思議な現象を解き明かすことだって可能よね!ほらほらなまえちゃんには魔法の素晴らしさをわかってもらわないと!それまで今日は寝かせないからね!



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