会う人会う人外人ばかり。また日本人じゃなかった…!となまえは絶望するしかない。というか今更だけどこんな髪色とかその他諸々なんでもいいけど外人の方達でもそんな色いたっけ?もしかしてみんなカツラなのかな………んなわけないか。

「王よ!不思議なルフを纏う子とはこの子のことでしょうか!?」
「…おおヤムライハ!いいところにきたな!」

さて問題です。さっきの掛け声は「Ohよ!」なのか「Oh,Yo!」なのかはたしてどちらでしょう?あんなキャピキャピした声で言うにはあまりにも掛け離れた言葉だ。この女性からは似合わないね。どうしてそんな言葉使いをしてしまったのか…!
なまえの目の前に訪れた女の人はとても可愛らしい顔をしていた。水色の髪に耳に法螺貝、あと聞いて欲しいのは貝殻二つ付けてるの。この人とんでもない。どっかのマーメイドみたいに貝殻付けてるの。

「貴方お名前なんていうの?」
「なまえです。おねえさんめっちゃボイン…」

勝てる気がしない。あえて正直に言おう。女という全ての要素においてこの人から勝てる気がしない。むしろ勝敗をつけるのもおこがましいほどだとなまえは思った。絶望の眼差しで貝殻に包まれた二つのたわわな膨らみを見つめる。世の中の理不尽さとは時に猛威を振るうよ。切ねえ切ねえよ

「ちょ、いきなりどこ見てるのよ貴方…!」
「拒絶の目で見られた死にたい」

なまえにしたらちょっとした冗談だったのに。彼女には完全に引かれたようだ。うわあ…って10歩ほど離れていったんですけどあからさますぎやしませんか。ストレートに言った私が悪いんですかね?それなら土下座して謝るからその放漫な脂肪を分けていただきたい。


「ヤムライハ、彼女ちょっとシャイなんだよ。許してあげてくれ」
「そ、そうですよね。ごめんなさい、えっと…なまえちゃん、よね?いきなりだったからビックリしちゃって…」
「シャイ…?それ、信じるの?」

これがシャイだと?え?何?なんなの?どう解釈したらそうなるの。この人達絶対おかしいよ!

「私ヤムライハよ。この国の食客なの」
「…ヤ、ヤムライハさんですか。あの、ヤムさんと呼ばせてもらってもいいでしょうか?」
「もちろんよ!よろしくねなまえちゃん!」

今スルーさせてもらったけど、なんか今とんでもないこと言いました?国って言いましたかね?き、聞き違いでしょうか。…きっと私ってば疲れてるんだよ…。うん。


「……ところでヤムさん」
「なになまえちゃん」
「なんで、あの、なんで空飛んで現れたんですかね?マジックですか?なんかピアノ線とか向こうから引いてあるんですよね?」
「なに言ってるのよ。魔法に決まってるじゃない!」

うふふと可愛らしく微笑みながらバシィと私の背中を叩いた所業についてはあとで抗議したいと思います!可愛いからって許さない



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