―――なんて格好良く言ったのはいいものの、…その、つまりアレだ。相手側も一筋縄ではいかなくて。キャンドルに火薬の弾を打ち込もうとしても起爆人間のMr.5に止められて。尽く妨害を受けているのが現状だ。
そのなかでウソップが閃いた作戦はカルーにロープを持たせキャンドルを走り回れというもの。言わずもがなそれはただのロープではなく油たっぷりのスペシャルロープ。敵陣はそれには気づいていないからチャンスではあるが…。
ウソップの指示通りカルーは懸命に走ったが、如何せん肝心の火種がない。


「火みっけ!」

そこでルフィが掴んだのはMr.3の髪の毛。その先端にメラメラと燃えている火がある。なぜそこから火が出ているのか不思議だけど今は置いておく。とにかく火さえあれば十分なのだ。

「甘いだがね!!」
「ッやべェ火が消えたぞ!」

しかしそれを見越していたのかMr.3の髪に灯っていた火が消えた。なんつーハイテク!

「そう思い通りにさせんのだがね」
「くっ」

勝った、と。男が確信の笑みを見せる。ルフィとウソップが苦虫を噛み潰したような顔を浮かべるなかなまえは違う。彼らが勝敗を決めるにはまだ早い。




「シロちゃん!」

名を呼べば森から飛び出した小さな狐。真っ白い毛を靡かせながら駆ける姿は美しい。呼び寄せたなまえすら通り過ぎ狐が目指す先はただひとつ。キャンドルだ。

「狐火ゴー!」

なまえが奏でる声と同時に、その狐の回りにポポポと浮かび上がる火。

「ッすげェ!緑の火だ!!」

それはなんと奇妙な緑色。ゆらりゆれる小さな火が油の染み付いたロープへ触れればたちまち膨れ上がる。緑色だった火は大きくなるにつれ赤く燃え広がりキャンドルを包んでいく。

ごうごうと火の粉を巻き上げ天まで昇る。肌に感じる熱風でさえ熱いのだから、中で燃えてる人達はもっと熱そうだ。



「あんたよくも!」

さっき気絶させた女の人が意識を取り戻し(やべえ浅かったなこりゃ)、わたしに向かって怒りを剥き出しにした。あのキャンドルを台なしにした為に怒りは沸点だ。いやぁなかなかの助っ人具合だったでしょう?と言えば逆鱗を買うことは一目瞭然。まあアレはわたしがしでかしたというよりはシロちゃんのおかげという方が正しいのだけれど。

「今すぐ潰してあげるわ!」
「ひえー。おねえさんおねえさん、素敵な顔が台なしだよ」
「う、うるさいわねっ!今すぐ死っ…――ぎゃああ!!」

言葉の途中で突如、炎の中から人が飛び出し女の人が投げ飛ばされる。おお、クリティカルヒットだなあれ。…なんてはたからみた感想を述べてみたりして。
ポニーテールに纏めた水色髪の女の子とオレンジ色の髪の女の子、二人の美女がわたしの目の前に。オレンジ色の髪をしたおねえさんがニヤリと笑みを浮かべてわたしを見た。

「お怪我はないかしら?助っ人さん」
「あ、はは」

はてさてどちらが助っ人なのかわかったものじゃあないね。そんな意味を込めてわたしは彼女達に対し苦笑を浮かべるしかなかった。


その隣でもウソップもまた緑色の髪の頭の仲間に助けられ、事なきを得る。ちょうど目があってお互いに親指をグッと天へ向けた。


残るはあと二人になったわけだけど。ルフィとカルーが逃げたMr.3とみつあみ少女をあっという間に蹴散らし、ようやく完全な勝利をあげた。……一時はどうなるかと思ったけどこれにて結果オーライ!



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