かつての王様、ワポルとの戦いに決着がついた。チョッパーが勝ち、そしてルフィがワポルを吹っ飛ばしていた頃にゾロやウソップ、ビビ、ドルトンさんや島の方達がぞろぞろとやってきた。何が起きたのかと困惑してるから此処で起きたことをかくかくじかじかと簡潔に伝えるとみんなが声を上げて喜んだ。ウソップとビビにはわたしが一人で勝手に行ったことに関して心配したとのお叱りを受けた。これは本当に申し訳ないと思う。





「…なあ、なまえ」
「なんだいチョッパー」

隣に座るチョッパーが私の名を呼ぶ。今し方ルフィからに仲間になれと追いかけ回された為か、少し疲れた姿に思わず彼の頭を撫でてしまったのは当然だと思う。
綺麗で真ん丸な月が空から照らすなか、城の屋根からチョッパーを探すルフィとその仲間と笑い合う彼らを見下ろしていた。

「あいつ…俺のこと、仲間だって言ったんだ」
「そっか」

小さくも聞こえた声に相槌をうつ。視線をこちらへ向けたその顔が嬉しそうに笑うのだからつられて口角が上がる。

「なまえはあいつらの仲間なんだろ」
「…うーん、今のところは居候だ」
「エェッ!?そうなのか?」

彼らに正式な返事はまだ出していない。
初めは次の島という話で船に乗った。それだけのつもりだった。だけどルフィはわたしを仲間にしたいという。でも、もしもその話を受けないのならば、あとは姿を眩ませればいいだけ。医者も見つけたしそれで問題はないのだ。なのにそれをしないのは…



――嗚呼そうか。自分のなかで、もう、決まっているのか。

出てきた答えがすとんと心に落ち着いた。




「トナカイー!どこだー!あり?そういや烏左斗もいねぇぞ?烏左斗ー!トナカイー!どーこーだー!」
「ははっ。どうやらルフィが呼んでるみたいだ」

再び叫び始めたルフィの声が夜空に響く。未だ探している彼を見てそろそろ行こうかと腰を上げて体についた雪を払う。だけどチョッパーは座ったままわたしを見上げ不安そうに顔を歪めてしまう。


「俺は…バケモノなんだ…」
「大丈夫。彼らがそんな人達じゃないということはもうチョッパーも分かっているんじゃないか?」
「……」
「一緒に行こう。ね?」

きっとそれが答えだ。あとは自分で選択をしなきゃいけない。大丈夫、どんな決意でもなるようになるさ。チョッパーの両手を握り立ち上がらせわたしは笑った。






そんなチョッパーが彼らの前に現れ、一緒に行きたいけど行けないと説明してるなか、ルフィに「うるせえ!行こう!」と押し切った勧誘に応えたのはすぐのことだった。



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