「カンパーイッ」

ガチャンと盛大に鳴り響くグラス。ごくごくと中身を飲みうめーと笑う。ルフィとウソップが腕を組み楽しそうにそれ何度も繰り返す。

「なまえの仲間入りにいぃぃ、カンパーイッ!!!!」

盛り上がってます。当の本人を除いて。むしろわたしの意思とは関係なく進んでいる今この現状について。わたし仲間確定ですか。なんだこれ?

「宴が好きなのよあのバカ共は」
「ほー」
「いいからなまえも食べたら?すぐなくなるわよ」

端から見守るわたし達。そう教えてくれたナミも飲むこと自体は好きらしく何杯目かもわからないグラスの中身を飲み干していた。天気も良く甲板にてたくさんの料理がずらりと並ぶ。すべてサンジお手製のできたて料理は食欲をそそるすごく良い匂いがする。手を合わせて「頂きます!」と声に出してから料理を口に運んだ。

「うめっえ!」

な、なにこれ!モグモグと噛み締めれば美味さ百倍。リトルガーデンではいつも焼いた肉ばかり食べていたからこういう料理を食べたのは幾分か昔のこと。いや寧ろ人生で食べた料理のなかで1、2を争うくらい美味すぎる。

「そりゃそうさ。マズイだなんて俺が言わせねェよ」

コトリと最後の料理をテーブルに置いたサンジが当然だと笑う。この船に乗り込む前はレストランで副料理長をしていたと聞いたからこの美味さも頷ける。


「ところでこいつは何を食うんだ?」

そいつと言ったサンジの視線の先にいるのはシロちゃん。シロちゃんがきゅお!と可愛らしい声をあげて応えた。

「シロちゃんは基本何でも食べるかな。あ、でも油揚げが一番好きなんだよ」
「へー油揚げか」
「きゅーん!!」

油揚げという単語にシロちゃんがわなわなと動き回る。油揚げ欲しい!とねだるような仕草にサンジが落ち着けと声をかけるとピタリと動きが止まった。シロちゃんは聞き分けがよくてすごくいい子なんだ。朝起こしてくれるしね!
サンジがほれ、とシロちゃんに油揚げを差し出せば嬉しそうに一声あげてからそれを食べはじめた。



「わたし一生ここの飯食ってたい」
「きゅお!」

しみじみ美味さを噛み締めると尻尾を揺らしてシロちゃんも応えた。

「だったら一緒に旅すりゃーいいじゃねぇか!な!」
「な、なるほど…」
「えらく単純に動くもんね」

いやだって美味いんだもん。そういうとサンジからクソ野郎という暴言と共に頭をワシワシと撫でられた。



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