ルフィ達みんなのあとをついていくと、そこにはジョリー・ロジャーを掲げる一隻の船があった。…わ、わお。

「君達、本当に海賊なんだね」
「嘘ついてどうすんのよ。ウソップじゃあるまいし」
「オイコラナミてめぇ」

くすくす笑いながらナミはウソップを軽くあしらって船に入っていく。それを追かけるウソップに、ビビとカルーも中へ。サンジとゾロは停泊した船の横の岸辺にて狩った獲物の大きさくらべをしてヒートアップしている。


確かにこのグランドラインを航海をするというならば海賊の可能性だって高い。だけどそう思えなかったのは彼らのせいだ、きっと。だってわたしの認識してたものと少し違ったんだ。海賊といえばさ、悪党というイメージがあるんだけど…

「んーそうは見えないんだけどなぁ」

それが本音だ。彼らはドリーさんとブロギーさんを助けた。二人だって賞金首なのに捕まえることはなくて、あげくには王女のビビを国へ送り届けるときたもんだ。詳しくは把握していないけれど、彼女の笑顔をみるかぎり人質とかそんな意味合いでもなさそう。これはわたしの概念を考えを改める必要がありそうだ。

「ん?なんだなまえどうした?」
「ううん、なんでもないよ」
「そうかしししっ」

そう。わたしの前で笑うルフィはこの船の船長なんだよね。賞金首で、しかも三千万ベリーだとか。海賊なうえにそんな高額だと怖いイメージがあるんだけど…こうして彼を見てみるとそんな気がしなかった。あ、もちろん悪い意味じゃないよ。

一風変わった彼らはイーストブルーから駆け出してきたばかりの“麦わら”という名の海賊団だとか。それに海賊旗も麦わら。ふむふむ船長の被り物が由来なんだね。…なんて考えていた最中、




「なまえ!」
「へ?」

船を観察しているとルフィがわたしの名前を呼んだ。彼はいつの間にか羊がモチーフになっている船首の上に座っていて、嬉しそうにこちらをみていた。
そしてみんながわたしに視線を向ける。

「はやく乗れよ、俺達の船へ」

にししと笑うルフィ。この船をゴーイング・メリー号っていうんだと紹介され、ウソップが暮らしてた島の知り合いから貰ったという余談も教えてくれた。
うん、と一言応えればフィの手が伸びてきてわたしの二の腕を掴む。……え?いや、ちょ、自分で入るから、なんてわたしの言葉も虚しく引っ張られた。すげーなゴム人間―――とか感心してる最中になんかよくわからないけど「力入らね」とか言い出してルフィにそのまま突っ込んだ。せ、せめて安全に降ろしてくださいい



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