「あんたいつの間に仲良くなったのよ」
「え………え?」

ジトっとした目で私を見るクラスメイト。こうしてやっと話の中に出てきたわけだけど(メタ発言ですね)、私にもちゃんと女の友達はいる。ちゃんとね。



いつの間に…というのは今まで大して話していなかった鉢屋三郎とか不破くんに竹谷のことを指してるのは何となくわかった。なんせ彼らとは今の今まで会話をしたことはなかった。竹谷は、去年同じクラスだし補習仲間だし話してたけど。あれ竹谷は?竹谷はノーカンですか?

「あげくに鉢屋とは一緒に登校してる仲、なんでしょう?」
「ゴホッ」
「キタナイ」
「すんません。…いやまあそれに関しては訳ありなんだよ」

成り行きだと説明してもそれじゃあ彼女は納得してくれない。いや聞いてるわりに至極どうでもよさそうにしてるけども…

「まあどうでもいいけど」
「やっぱりいいのか」
「うん。私は、ね」
「………ですよねー」

嗚呼嫌な予感。こうして友人との会話に上がるってことは、もうフラグでしかないわけだ。そう結論づけこの先のことを思うとゲンナリするしかなかった。
そんな私を引き戻したのは声を張り上げた友人で

「あ!ごめんなまえ!私今日から彼氏と食べることになったの!」
「は?か、彼氏?!いつの間に出来たの!」

爆弾発言を投下してきた。

「つい最近!ふふ、これで私もリア充の仲間入りね!…というわけでこれからは他の子と食べなさい」
「お、鬼!鬼畜!お昼にいきなり言うなんてひどすぎる!」
「なんとでもいいなさい!イケメンと仲良くなってんだからおあいこよ!」

この学校は男子が多く女子が少ない。
しかも今から昼ご飯ってときに、そりゃないぜ友人!今から私に一人でご飯を食べろと申すのか!このチキンハートな私に!彼氏が出来たというのは認めるとしよう。だがしかし!イケメンとお知り合いになったきっかけは私のせいじゃない。よってお昼ご飯を一人で食べるのは認めな…

「本当にごめんね、なまえ」
「……まじか」

ん、マジ。と言ってのける友人にただぽかんとした顔をするしかなかった。…彼氏との仲を私が邪魔できるはずがなかろうに。

「リ、リア充爆発しろ」
「ありがとう!」

真顔で言ってのけたが友人はダメージすらなく颯爽笑顔で教室をあとにした。ちくしょう少し前までは一緒に言い合っていた魔法の言葉なのに。


ふと横を見ればニヤニヤ顔でこちらを見る竹谷の姿。うわあ…今の見られてた。なんつーかイラッとくる顔しやがって。

「おほー!今日から一人飯か?」
「便所飯みたいに言わないでください竹谷くん」

今悲しいんだから。友人に彼氏出来たこともついさっきで初耳なんだから。友情どこいったコンチクショウ。


「えっと…みょうじさんさえよかったら僕達と食べる?」
「お!雷蔵ナイス!みょうじなら一緒に食っても大丈夫だろ」
「行こうぜなまえ」

「オ、オネガイシマス」

うわあ…なんか、流れに任せて頼んでしまったけど、どうしよう。これ選択肢間違えちゃったんじゃないのガチで。いやでもあそこで食べないと言っても一人飯の可能性もあったわけだからマシなのか。…やばい、これじゃあ不破くん現象だ。
だってさ、便所飯とか…できるだけやりたくないよ!



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