今日一日の授業が終わり、放課後が訪れるとがやがやとし始め教室内にある人が減ったり他のクラスメイトが入ってきたり。私が机の中を整理をしていると鉢屋三郎達が竹谷のもとに集まってくる。すなわち彼の後ろの席である私もその会話に巻き込まれるっていう流れが多くなった。

「新入部員集まるかな」
「そりゃ集まるって。まあ、ついて来れる奴がいるかは知らねーけどな」

つい先ほど生徒会主催の、新入生の為の部活説明会があった。運動部から文化部まで一年の勧誘をするアピールの場であるとのことでみんな必死そうだった。
必死そう、といえば生徒会は忙しそうだったな…。生徒会長の三年生は目に隈までつくっていて険しい顔をしていたと思う。三年生は最終学年としていろいろと忙しいのだろうか。


「まあ確実に一人は入ってくるぞ。あいつは殆ど強制のようなもんだからな」
「あいつ?」

首を傾げあいつという人物に疑問を浮かべた。どうやら三人にとっては顔なじみらしい。

「そっかみょうじは高等部からの編入だからしらないんだよな」

その言葉にああ成る程、と納得した。この大川学園は小学部中等部そして高等部に大学とエスカレーター式の学園だ。殆どの人はその流れによって進んでいくのだけど私は違う。高等部からの編入としてこの大川学園に入学した。それゆえ入学当時から既にグループが完成していたりするので友達作りには苦労したのはいい思い出。まあそれは置いておくとして、エスカレーター式だからこそ年齢の離れた生徒との交流があって比較的仲良しだと聞いてる。特に高等部と中等部は委員会活動等は合同だとか。年上に学べというのもこの学園の信条らしい。

「滝夜叉丸は七松先輩のお気に入りだからね」
「………あー七松先輩ね」

七松先輩といわれて思い浮かべるのは暴君いけどんで有名な人。校内の物という物を破壊するほどに凄まじくパワフルで破天荒な三年生。あの人に目を付けられたら終わりだ。……と友人が教えてくれた覚えがある。
確か三人と七松先輩は同じバスケットボール部だったっけ?イケメン揃いの恐ろしい部活だよね。彼らを応援するために体育館には女の子が溢れてるから凄い。ちなみに恐ろしいっていうのはあくまで私の認識である。

「今年は全国大会に出るのが目標」
「むしろ全国大会優勝とか言い始めてるけどな」
「先輩達張り切ってるもんね」
「へえ…頑張ってるんだね」

すごい気合いだ。去年の県大会はいい線いってた、っていうのは風の噂できいた。汗水垂らしながらも仲間で協力して同じ目的を目指す。ああ素晴らしいね青春。


「ところでみょうじさんは部活何やってるの?」
「不破くんはなんだと思う?」
「えっ」

意味もなく投げ掛ければ、不破くんは真剣に悩み始めた。腕を組みうーんうーんと首を傾げる姿になんか申し訳ないことを言ってしまったみたいだと後悔した。
鉢屋三郎から雷蔵はああやって悩み癖があるからと教えてくれたけど三郎さんちょっと言うのが遅いです。




「あれもう時間なんじゃない?」

ふと時計を見れば、もう部活動の開始時間があと5分と迫っていた。私の言葉に竹谷と鉢屋三郎が時間を見るやギョッとした顔をして立ち上がった。

「あ!やべ!先輩にどやされる前に行くぞ」
「ほら雷蔵も急ぐぞー」
「え?え?もうそんな時間?」

いまだ悩み続けていた不破くんを鉢屋三郎が呼び戻す。慌てて教室を出ようとするみんなに私は満遍な笑みで送り出すことにする。「お前は部活急がなくていいのかよ?」と竹谷が言うけど、ふふふ…私に時間は関係ないんだよね。そんな意味を込めて手を振った。

「まあ、忙しなく頑張れ」

なにを隠そう私は帰宅部だ。





◎余談:割り当ても面倒なんで部活は全員一緒にするつもり。始めは弓道部がよかったけど暴君のことを考えると無理だと諦めて次に人数多いしサッカー部にしようと考えたけど立花先輩に日差しはイクナイと断念しバレー部にしようかと悩んだ結果、あえてのバスケ部にしました。バスケの知識はスラダンからになる予定ですさーせん。
あと学園の設定がハチャメチャです



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -