「それにしても三郎、やる気満々だったなー!すぐ終わってよかったけど!」

私の席の前でケラケラ笑う竹谷の声が教室に響く、のと対照的に私が沈む。ほんとにどうしてこうなった。
新学期早々、全校生徒集めての始業式やら何やらを終えたあとのこと。クラスの目標や学級委員などの委員会を決めるのは恒例だしやりたいものを選んだりするのはいいと思う。けど、先に言っておこう。これは私の意思ではない。はやく決めれば決めるほどホームルームがはやく終わって帰れるという担任からの助言に触発されたのか。そこのところの理由はわからない…けど…さ、


「どうして私副委員長なの…」

これもすべて鉢屋三郎のせいだよ。何故、なにゆえ、こんな暴挙に!
なかなか決まらない学級委員長を鉢屋三郎が手を挙げ立候補したと思いきやそのまま私を副委員長にと指名したのだ。な、なんてことを!
たちまちクラス内からぱちぱちと拍手が上がり嫌という隙もなく私は生贄になった。ところどころから妬ましい視線があったような気がするのはこの際無視だ。これからこのクラスを取り仕切る立場にならなきゃいけないとかどうしよう。今の今までそんなことやったことありません。

「しょうがないよみょうじさん、自主的に委員長立候補した人が指名できるやり方だったし。僕にもできることがあれば手伝うよ」
「うう、ありがとう不破くん」

慰めてくれるのは不破くんだけだよ!不破くんがいてよかった!私の心も救われるよ!

「いいじゃないか。減るもんじゃないしな」
「減るわ!私の有意義な時間が!」

張本人もとても楽しそうだし、なんなんだいったい。私が何をしたというの。


「まーまーそう言うなって!楽そうじゃねーか副委員長って!さーて俺は今年も生物委員会に入ろう!」
「焼きそばてめぇチリチリになってしまえコノヤロー」

そう私が言い放ったあとのこと、ブフォッと吹き出した音がどこからともなく教室内に響いた。
え?えっ?意味がわからなかった。けど鉢屋三郎が「やっぱお前おもしろい」だなんて言葉を前触れもなく頂いたが、個人的にはなんにも嬉しくないことをはっきりと申し上げようと思う。



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