成行人生の前に考えてた連載です。いまの成行に似た感じのヒロインになってます。ちなみにシンドバッドがお相手。よろしければどうぞ







シンドリア王国、そこに私は住んでいます。そりゃあもう生きる為に全力で働いていますよ。なにせ拾われた身ですから、恩義があるので。むしろ恩義っていうか敬愛っていうか。ふふ、…まあとにかく。その為に皆が喜ぶことをするのが私の恩返し。…なのにこれは一体どういうことでしょう?ん? 

「また貴方ですか…」

私の前でドス黒いオーラを醸すジャーファルさん。怖いとても怖い。

「いやぁ…ちょっとした悪戯ですよね。茶目っ気ともいうかもしれませんね」
「何が茶目っ気ですか。悪戯ではすみませんよ。全くこんなものに変えるだなんて信じられません」
「へへ、そうですか?ありがとうございます。でももう少し鮮やかにすればよかったですかね?」
「…。言っておきますけど褒めてないですよ」
「えっ」
「その驚き方の理解に苦しみます。…貴方って人は何度問題を起こせば気がすむのですか。この問題児が」
「それはたぶん天性的なものでしょうか?ジャーファルさんそこのところ、どう思います?」
「反省をしなさい!反省を!」

グワアアみたいな、ジャーファルさんの心の叫びがひしひしと伝わってくる。え?怒ってる?なに怒ってるの?ジャーファルさんが怒ってるのも、私が彼から問題児と呼ばれるのも理解できない。
私なりに王宮の為を思ってやってるだけなのに。たぶん、他の人とはやり方が違うからかな?でも仕方ないよね私は私のやり方があるんだから。しかたないよね。



「お前達、俺を挟んでの口論はやめてくれ…」

ジャーファルさんと私の間を隔てる彼がため息をつく。ジャーファルさんから守ってくれる救世主であり、私の、王(子)様!!

「シンドバッドさん好きです!」
「わかったから離れてくれ」
「え?嫌ですけど?」
「お前なぁ…俺が仕事できないだろ」
「いつもしてないじゃないですか」
「おーおー…余計なことを言うのはその口かぁ?」
「い、いひゃいです…!」

容赦なく両頬を掴まれ皮膚が伸びる。ガチで痛い!
痛みに悶え苦しんでいれば頭上からはははとシンドバッドさんが笑った声が聞こえた。ああ本当、どうしようか。それだけで私は満たされるの。

「そんなことばっかりやってると本当に王宮から追い出されるぞ」
「うう…それは困りますぅ…」

死活問題です。追い出されたらガチで死ぬ自信ありますよ。だってこんなシビアな世界で生き残れるはずがない。むしろシンドバッドさん不足で死ぬ。絶対死ぬ。死んでしまう。

「くっ、ジャーファルさんのひとでなし!」
「何がどうしてそうなった!」

そうなったときはジャーファルさんに追い出されたときに違いない!そして私の死因はシンドバッドさん不足という残念なことになってしまう。シンドバッドさんの為と思えば名誉だけど、一般的には不名誉だ!恥ずかしい!だから離れることなんてできないよ。それに私にはシンドバッドさんの!子を!孕む役目があるの!!


「シ、シンドバッドさん…」
「なんだい」
「…お傍に置いてくださいね」

それが私の、願い。頭をぐりぐりシンドバッドさんの脇腹に擦り付ければいい匂いが鼻を燻った。
ハァーン!!!不意にシンドバッドさんが頭を撫でてくれるから幸せだ。このニオイに包まれて死ぬならもう死んでもいい!







「女遊びが好きなシンもあの子の前ではタジタジですね」
「まあ、……これで仕事が進みますからいいじゃないっすか」

あの子がシンドバッドの傍にいるようになってから彼が執務室にいる回数は多くなったように思う。そんな二人を王様の臣下達は陰から見守っています。

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