2
廊下を歩いていると、やたらと小さい背中を見つけた。
来ているコートはヴァリアーのものだが、あからさまに浮いている。
あんな小さいのを、ここに置くわけが無い。
「うお゙ぉ゙い!そこで何してる!!」
「・・・」
声をかけて振り向いた子供は、本当に小さな・・・
「あ゙ぁ?ガキじゃねぇか。どっから入り込んだ?」
「・・・・・・」
「うるせーなー、スクアーロ。ちょっとボリューム落としてくんね?」
後ろからの声に振り向く。
不機嫌そうな子供。
幼くして殺しの天才と呼ばれる、ベルフェゴール。
つーか黙れよ。つーか死ねよ。とかも聞こえた気がするが無視する。
「お゙ぉ゙い!ベル!!何だぁこのガキは?」
「ルッスーリアの拾いもん。ボスが俺に面倒みさせるっつったんだってさ」
その言葉に不安になる。
XANXUSのいい加減さもそうだが、ベルの自己管理のなってなさも。
「・・・大丈夫なのかぁ」
「どういうイミだよ」
「そのままだぁ」
「うっせ、さっさと消えろ」
カカッと軽い音と共に、スクアーロの足元にナイフが刺さる。
チッと舌打ちしてそれを避ける。
「・・・ベル」
「お、名前呼んだ。すげぇ」
「・・・喋れたのかぁ」
「・・・」
少女は一瞬スクアーロを見たが、すぐに視線をベルに戻した。
「だれこれ」
「あ゙ぁ゙?!」
「うしししし!コイツはスクアーロ。名前はえーと、す・・・なんだっけ?」
「スペルビ・スクアーロだあぁぁ!!!」
少女が嫌そうに耳を塞いだ。
「拡声器?」
「うしし、お前面白いこと言うじゃん」
「どこも面白くなんかねぇぞぉ!」
「ハイハイ。いーからいこーぜ」
「どこ行くんだぁ?」
「コイツの部屋。あ、そーそー、部下に小さい子供見ても部外者じゃねーって言っとけよ」
「・・・」
どこまで上からものを言えば気が済むのか。
小さい王子は少女を連れてさっさと歩き去ってしまった。
XANXUSが決めたのであれば、自分が何を言ったところで変わるまい。
アレはそういう男だ。
スクアーロは溜め息を吐いた。
- 2 -
[*前] | [次#]
ページ:
TOP