廊下を歩いていると、やたらと小さい背中を見つけた。
来ているコートはヴァリアーのものだが、あからさまに浮いている。
あんな小さいのを、ここに置くわけが無い。

「うお゙ぉ゙い!そこで何してる!!」

「・・・」

声をかけて振り向いた子供は、本当に小さな・・・

「あ゙ぁ?ガキじゃねぇか。どっから入り込んだ?」

「・・・・・・」

「うるせーなー、スクアーロ。ちょっとボリューム落としてくんね?」

後ろからの声に振り向く。
不機嫌そうな子供。
幼くして殺しの天才と呼ばれる、ベルフェゴール。
つーか黙れよ。つーか死ねよ。とかも聞こえた気がするが無視する。

「お゙ぉ゙い!ベル!!何だぁこのガキは?」

「ルッスーリアの拾いもん。ボスが俺に面倒みさせるっつったんだってさ」

その言葉に不安になる。
XANXUSのいい加減さもそうだが、ベルの自己管理のなってなさも。

「・・・大丈夫なのかぁ」

「どういうイミだよ」

「そのままだぁ」

「うっせ、さっさと消えろ」

カカッと軽い音と共に、スクアーロの足元にナイフが刺さる。
チッと舌打ちしてそれを避ける。

「・・・ベル」

「お、名前呼んだ。すげぇ」

「・・・喋れたのかぁ」

「・・・」

少女は一瞬スクアーロを見たが、すぐに視線をベルに戻した。

「だれこれ」

「あ゙ぁ゙?!」

「うしししし!コイツはスクアーロ。名前はえーと、す・・・なんだっけ?」

「スペルビ・スクアーロだあぁぁ!!!」

少女が嫌そうに耳を塞いだ。

「拡声器?」

「うしし、お前面白いこと言うじゃん」

「どこも面白くなんかねぇぞぉ!」

「ハイハイ。いーからいこーぜ」

「どこ行くんだぁ?」

「コイツの部屋。あ、そーそー、部下に小さい子供見ても部外者じゃねーって言っとけよ」

「・・・」

どこまで上からものを言えば気が済むのか。
小さい王子は少女を連れてさっさと歩き去ってしまった。

XANXUSが決めたのであれば、自分が何を言ったところで変わるまい。
アレはそういう男だ。
スクアーロは溜め息を吐いた。

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