6.日照
ぐらぐら揺れる感覚で意識が浮上。
昨夜は飲んでないせいかあまりだるくない。
ぼんやり目を開けたら、目の前の琥珀色に驚いて一気に目が覚めた。
「おはよーリンドウ!」
「・・・・・・あー、おうる?」
「おはよ、でいいよ?」
「あぁ、あってるあってる。おはよう」
ベッドの横に立ってリンドウを揺すっていたらしいおうる。
リンドウが起きたのを見てにこにこ笑う。
「たいようでた、おきるじかん!だっ!」
「・・・そうか」
時計を見て、それにしても早すぎやしないか…?と思う。
そもそも地下だから太陽が出たかなどわかりっこないのでは、とも思う。
「なぁもうちょっと寝ないか?」
「えー、おきるじかん!だよ?」
「…わかった、わかった」
無理やり体を起こす。
気だるい・・・
おい、歳って言ったやつ誰だ?
俺はまだまだ若いぞー
「リンドウー」
「んー?」
「おなか、カラッポー」
「・・・腹が減ったのか・・・朝飯行くか」
「あさめしー」
おいしいやつー!とか言いながら扉に引っ張られる。
待て待て着替え・・・おぉっとコイツの前で着替えんのか?
俺はいいんだけどコイツの教育上どうなんだよ。
つーかこいつは着替えなくていいのか?
「なぁサクヤに”おはよう”しに行こうぜ」
「おはよー、イイこと!」
「よし」
サクヤの部屋を訪ねる。
寝巻きで気だるそうなサクヤが出てきた。
だよなぁ、と同情しつつ、仕方ないので付き合ってもらう。
「預かるの?いいけど・・・」
「リンドウなにする?」
「着替えてくるんだ。待ってろな」
「んー?」
いいけど、と言いつつあまり乗り気ではないサクヤ(寝不足か?)の為に、さっさと戻ってさっさと着替えてきた。
俺が戻ると、サクヤがうとうと寝そうになるたびに起こそうとするおうるの姿。
よせよせ、とおうるを宥め、「じゃあ悪かったな」と部屋を出た。
「なんでサクヤ、ねる?」
「ここの皆はな、まだ起きないんだよ」
「ゆっくり、アブナイ」
「ここは危なくないんだ」
「アブナイ、ちがう?ほんとう?」
「本当」
「ふーん」
いまいち納得しなかったのか、おうるは曖昧に頷いた。
エレベーターに乗り込み、ガタゴトと食堂の階に。
他の名前が何かあった気もするが、何となくそう言ってしまう。
「リンドウ!ソーマ、いるよ」
「お、やっぱアイツは早いか・・・」
「そーまーっ」
先にエレベーターを降りてソーマに向かって走って行くおうる。
その後に続いてリンドウもエレベーターを降りた。
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