Rainman
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春だと言うのにまるで冬のような寒さで、おまけに今日は昼頃から雨まで降っている。
秋山はちらりと時計を見る。午後5時すぎ…いつもなら、カンザキナオからご飯食べに来ませんかだの、そっちに行って良いですかだの、何かしらの連絡がある時間。
彼女からの連絡は殆ど習慣のようになっているから、それがないって事は…不測の事態が起きている可能性が高いと言うことだ。
…少し迷ったけれど、携帯を手に取る。リダイヤルボタンを押そうとすると、突然携帯が震えた。

画面には"カンザキナオ"
絶妙なタイミングに少し驚いて、少しホッとして電話を受ける。

「あ、秋山さん?」
聞き慣れた声。
「今、どこ。」
少し間を置いて、
「公園で…雨宿りしてます。」
はぁ、と秋山はため息をついた。
「傘は?」
「色々あって、持ってなくて…」
「――…迎えに行くからそこにいろ。」
こんな寒い日に外で雨宿りなんかしてたら風邪をひくだろ、とか色々と言いたい事はある。でも何よりも先に、彼女を迎えに行かなければ。
「わかりました!あの…有難うございます。」
電話越しに聞こえる彼女の声を聞いて、秋山は電話を切って玄関を飛び出す。
傘は1本しかないけれど、細身の彼女を雨から守るには充分な大きさだろう。

どしゃ降りの雨の中、秋山は走り出した。

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100417
うちの秋山さん直ちゃん好きすぎて困る




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