!下上妄想

わたくしの弟はたいっへん可愛いです。ええ非常に可愛いです。常人では理解出来ないレベルの可愛さです。わたくしは知っております。しかしそれを知っていいのはわたくしだけ、・・・だったはずなんです!なのにこのアホ迷子といいましたら!!

「違うんですノボリさ・・」
「黙りなさい!クダリに可愛いといったのはこの口ですか?!寧ろそういう思いに駆られたことが嘆かわしい・・!貴方いつからクダリをそういう目で見つめていたのですか?!クダリと一緒に居たときに舐め回すような視線を何度も感じましたが・・!やはり貴方・・!このっ!」
「わあああーー!すみません!で、でも色々違います!ぼくはクダリさんの方じゃなくて・・」

クダリじゃない?!その言葉を聞きノボリの頭により血が巡った。

「身体目的なのですね?!なんていうことです・・!クダリ自身ではなく身体とは・・!穢らわしい!万死に値します!!シャンデラ、この愚者にオーバーヒー・・」
「ノボリその辺にしてあげたら?カズマサもそんな意味で言ったんじゃないよ」

ね?と小首を傾げる我が弟は地上に舞い降りた天使のようでして。わたくしの荒んだ心も一気に晴れ晴れとした晴天に。一瞬にして変わりました。

「クダリがそう言うのでしたら・・。しかしいいですか次クダリにそのようなこと言ったら許しませんよ。行きましょうクダリ、変態菌に感染してしまいます」

必要な書類と昼休憩の為のお弁当とモンスターボールを持ち、その忌々しい空間からいち早く抜け出しました。その際クダリのことを考えているわたくしは、後ろから着いて来ている筈の弟がいなかったことに気付きませんでした。



* * * * *

「さぁてカズマサ。言いたいことは分かってるよね?」
「ひっ!あのすみませんでした・・!別に僕悪気があって・・・」
「ぼくが怒ってるのはそこじゃないよ、この腐れ迷子の祖チン野郎」
「な・・」

きみさぁ。
大きく息を吸い込みクダリは笑みを深める。


「誰に許可にもらってノボリ見てたわけ。殺すよ」

日常生活であまり縁のない言葉を滝のように頭から浴びたカズマサは顔面蒼白。口を開閉させ冷え汗をだらだらと流した。
それを見届けケラケラと笑い声を響かせクダリはスキップしながらドアを蹴り開けた。
ノボリさん・・貴方の天使は天使じゃなかったです、天使を装った悪魔でした。そう思っても声に出せずにカズマサは壁沿いに沈んだ。



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過保護ブラコンでクダリまじ天使可愛いなノボリと肉食系クダリ。
なんだかすみません・・・こういうの大好きなんです。