!エメイン妄想

替えのスラックスに足を入れた瞬間に背後のドアが開いた、ただそれだけだった。しかしそれはある種の最悪のタイミング。

インゴは数秒前の自分を呪った。誰にも言っていない秘密を、今まさに見られたのだ。

よりによって愛しい兄にそっくりなあの憎きクダリに。





「パンツでハムスター柄って・・・」
「黙りなさいこの下衆」
「黙るかよ。きみが黙れば?かわいいかわいいハムスター柄下着着用のインゴちゃん?」

殺す。有りっ丈の思いを込め視線をやる。頗る楽し気に顔を歪ませクダリは跳ね始めた。ああウザったい。苛立ちを隠すことなく殴ろうと振りかぶった刹那。

「インゴ、クダリ」

後ろから大好きな片割れの優しい声。インゴは慌てて手を下げ何事も無かったのように振舞う。因みにエメットの隣にはノボリも居るのだが彼の目には入らない。まさに自分の兄以外眼中にないと言ったところか。挨拶を当然の如くスルーされたノボリは苦笑していた。

「あ、そういえば2人とも聞いてよ、インゴったらね」
「言ったら殺しますよ糞野郎」
「は?それはこっちの台詞。というかさ、ハムスター柄のパンツはいてる奴に殺すとか言われても怖くないし」
「な・・!」

ごくごく自然に口を滑らせるクダリにインゴは肩を震わせる。

「・・はむ?」
「え・・?インゴ、ハムスター柄って・・」

それもしかして昔ボクが冗談でプレゼントしたやつ?
ぐさりと羞恥心を抉るエメットの一撃にインゴはモンスターボールからオノノクスを出し、「ドラゴンクロー」と言い放った。その指差す方向には悪戯が成功して嬉しそうなクダリ。オノノクスは一瞬戸惑っていたが自分のマスターから力強い眼力を見て命令に従った。その一連の光景を見ていたノボリとエメットは慌てて止めに入ろうとした。しかしそれも最初だけで。エメットは物々と独り言を言いながらその場で考え事を始め、残された良心であるノボリは青ざめながらも懸命に話し掛ける。

「インゴ様、あのとりあえず落ち着いて下さいまし・・!ほら、エメットも居ることですし」
「エメットの前で恥をかかせたあの腐れ外道をワタシは許しません。ノボリ、貴方の弟だとしても諸悪の根源は元から絶たねば世界は安定しません」
「諸悪の根源ってひっどーい!ノボリ言ってあげてよ、ぼく良い子だよね?あ、でも危ないから下がってて。いけ!デンチュラ!」

平和的解決を望む者の前でデンチュラを繰り出し迎え撃とうとする弟に兄は眩暈を感じた。このままでは・・。どうしようかと必死に解決案を探す中、ふと考えこむエメットの姿が視界に入った。彼ならこの無謀な争いを止めてくれるに違いない。

「エメット・・!お願いしますインゴ様を止めて下さいまし、このままでは大惨事に・・」
「・・・ハムスター・・ハムスターって・・・」
「エメット・・?」
「どこで、いつ、どんな状況で、ハムスター柄っていうのを知ったのかな」
「エメ」
「どういうことなんだろうなぁ。あはは、はは・・・クダリ殺す」
「ット・・・」


ノボリは次の瞬間、今までにないほどのスピードでデンチュラをボールに戻させクダリをつれてその場を去ったのだった。



* * * * *
ギャグ書きたくて・・・
はい無理でしたごめんなさい
ハムスター柄の下着着用なインゴが可愛いと思った・・ら
こんなになりましたすみません・・!

クダリは着替えていたインゴのパンツを見ただけです。
分かりにくく申し訳ないです。