10.05.20(Thu)10:53

以前、インスピレーション@ジャスミンティーな火黄妄想した時にちらりと言ってた口移しネタ繋がりな青黄ですが、萌え吐きとして普通に文章で綴ろうとしてたら例にもよって言いたいことが上手くまとめられなくなってきて脳内複雑骨折したので、無駄にssにしてみました。

そしたら余計に脳内複雑骨折悪化したなんてそんな

とりあえず追記から青黄ssですー。

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充分過ぎるほどの練習の後でのハードワーク、ろくに水分も摂らないまま、これ以上はオーバーワークだという脳からの警報を無視してひたすらに『もう一回』と挑み続ければ、どういうことになるか。

答えはきっと、少し考えれば凡そ誰にでも分かる。






「脳貧血じゃね?」


コート脇に寝かせられた俺の側に腰を下ろしながら、青峰が言った。
体育館の床に横たわった俺は面目なさに笑おうとして、あまりの倦怠感に失敗、頬を軽く引き釣らせるだけに終わった。
まだ続けたいと、まだ大丈夫だと、自分の欲求を優先させた、自分の体力を過信した。
その挙げ句、この有様。


「…ごめん」


ぽつりと呟く。それだけ言うのでも、舌先の痺れと、喉の奥にひりつくような痛みを覚えた。

そういえば、せっかく水分補給用にと桃井が置いていってくれたポカリスエットにも全く手をつけることのないまま、青峰との1on1に没頭していた。小さく首を捻り、体育館の壁ぎわに置かれたペットボトルに視線を向けると、それに気付いた青峰が


「…飲むか?」


と訊いてきた。俺が頷くと、青峰はやれやれといった風にその場から立ち上がる。

恐らく、飲むかと問われたそれを取りに行ったのだろう、しんどくなってきて目を閉じてしまったため、見えなかったが、自分の元から遠ざかる足音、そしてまた自分の元へ歩み寄る足音がしていた。

程なくしてペットボトルが、寝たままの俺の口元に寄せられた。冷たいプラスチックの感触を唇の端に感じて、うっすら目を開ける。
ぼうっとした頭で、どう飲もうかと軽く考えてはみたものの、この態勢のままではどうやったって角度的に零れてしまうに違いない。かといって、とても起き上がれるような気はしない。頭と視界は揺れているし、全身に力が入らなかった。


「起きらんない、ス…」


熱い息でプラスチックを曇らせながら短く言葉を吐く。我ながら頼りない声だった。


はあ、という音が聞こえた。青峰が溜息を吐いたのだ。

妙に目頭の痛む目を少し動かして、青峰を見上げる。目が合うと、青峰は眉を寄せて苦笑を浮かべ、


「しょーのねーやつだな、おまえは」


そう言って、俺の頭に手を伸ばし、汗で額に貼り付いていた前髪をかき上げた。

それから、反対の手で持っていたペットボトルを自分の口元に運び、少し顎を持ち上げて、プラスチックの中の清涼飲料水を流し込む。けれど、反らした顎のラインから飛び出している喉仏は動かなかったから、液体はまだ青峰の口の中に含まれたままなのだろう。

そういう一連の動きをぼんやりとした視線で追っていた俺の唇に、ペットボトルを置いた青峰の手が伸び、指先が触れてそっと下唇をなぞった。そのまま親指が上下の歯列をかき分けるように差し込まれ、俺は強制的に口を開けさせられてしまう。今この指を思いっきり噛んだらこいつは怒るんだろうなあ、なんて、そんな元気もないくせして、埒の明かないことを考えているうちに、青峰の顔がとても近くにまで迫っていた。

視界が霞む。チカチカしてしまって、あんまり近くは見れない。だから、俺が目をつむると、まるでそれが合図だったように、親指がすっと離れ、代わりに青峰の唇が俺のそれに重ねられた。

合わさる唇の間から、体温でぬるくなったポカリスエットが流し込まれる。
押し寄せる液体の力を借りて、ひりつく喉で嚥下する。
注がれた分全てを飲み込んでも、渇きは満たされなかった。


「まだ、ほしい…」


力が入らず、ゆっくりと何度かまばたきをしながらそう呟いた俺に、青峰は無言のままポカリを口に含み、また口移しで飲ませてくれた。俺は何度もせがんで、随分沢山飲んだと思う。

触れる青峰の唇の温度が自分より低いことに今更ながら気付いた俺は、口の中はどうなのかな、とふと思い、流れに逆らって青峰の口内に舌を差し入れてみた。すると思ったとおり、青峰の舌は俺より幾分冷たくひんやりとしていて気持ちよかった。一瞬、驚いたように引っ込められかけた舌を俺は慌てて自分のそれで追い掛けた。冷たい心地よさをまだ味わっていたかったから。

何度か絡め合ううちに、青峰の舌は俺の体温を奪って急激に温まり、冷却効果は期待できなくなってしまった。だが、そのときにはもう立場が逆転していて、俺の口の中に青峰の舌が差し込まれている状態で、いつの間にか青峰は俺の両側に肘を付き、俺の髪を撫でるようにかき上げていた。

きつく舌を吸い上げられて反射的に体が震える。酸素が足りなくなってきて息が苦しい。ただでさえ思考が覚束ないのに、頭の芯が痺れるようで、もう自分が考えられることなんて何一つないような気がしてくる。

そういえば、なんでこんなことをしているのか。
いや、こんなことって何だっけ、俺たちは何をしているんだろう。



ぼやけていく意識の中、俺は床に投げ出していた左手を無意識のうちに持ち上げていた。そして青峰の肩口から、す…、と伸ばし、少し固い短い髪に指を絡め、

引き寄せた。





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なんか青峰が優しい…笑

いやホラ、黄瀬弱ってるし、そんな時くらいはさすがに青峰も鬼畜俺様度控えめで優しくしてくれることもあるやろうし、それに多分ピュア峰な時期やし!(…

まあ…、脳内妄想ではもうちょい先まで展開があったりしますが←

文中で青峰が舌を引っ込めかけたのは予想外の行為に反射的に反応しただけで、仕掛けられてびびったとかいう訳ではありません。

…あと、文中では明確に書いてませんけど、初ちゅうだったり…笑

淡々と行動しているようにみえて水面下ではいろいろ想うところのあった青峰氏。青峰サイドも書けたらいいなあと思うけど多分書かない。てか、書けないw


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