スプートニクの愛人


頭がぐちゃぐちゃになる。実際は下肢の奥がぐちゃぐちゃして気持ちよくて頭もそれに比例してぐちゃぐちゃになっているわけだが
今はそれをどうこう言っている場合ではない。そんな事より今現在真昼間の私の部屋でさわやかに笑いながら
私を犯しているこの男をどうにかしなくてはならないからだ。





「・・・、んはぁ・・・エース・・っ」
「・・・・ん、なんだい綾」

「これ、ぜったい犯罪だから、ぁ・・・ひゃ、う」
「あはは、犯罪?どこらへんが?・・・・君は随分と気持ちよさそうじゃないか」






至極普通の態度でききかえしてくるその姿は誠実な騎士っぽく見えるがもっと恐ろしい何かのようにもおもえた。
第一こんなさわやかな笑顔で女を犯せるなんてこの男も大概どうかしている。
流されやすい私も私だが(しかし彼のあの笑顔を向けられてしまうと何故か断れないのだ)私の奥にはいりこんだエースの細くて長い指が増やされる。・・・・痛い、けれど快楽に溺れた頭は痛みをやわらげ快感へとかえる。





「それとこれとは、んぅ・・・っはぁ、話がべつで、しょ・・・!」

「一緒さ。・・・・・綾は俺の事、嫌いなんだ?」

「っ・・・きらい、じゃないけど、・・・こんな無理矢理、」

「えー無理矢理だなんて心外だなあ。君も承諾したじゃないか」

「ぜった、い・・してない・・!!もう、やめて・・」
「本当にやめて欲しい?・・・君のここ、きゅうきゅうしめつけてくるけど?」

「っ・・・!!」




ただでさえ熱い頬に熱が集中する。本当、最低だ。
騎士なんていう潔癖な肩書きを持っている癖に彼は、エースという男は意外と俗物なのだった。
私は必死で何かを喋ってかろうじて残った理性を保ち流されまいとしているというのに、エースは息一つ乱さず爽やかに笑って私を堕とそうとする。





「こういう事するのは、ぁ・・ふつう恋人同士でしょ・・」

「はははっだったら何も問題無いじゃないか。俺達恋人同士だろ?」
「・・・っ何言って、・・ひゃん!?」

「・・・・・へえ・・・ここ、いいんだ?」
「や、だめ・・・あっ・・・ひゃあん!」





奥をばらばらの動きでかき回され、
突起の部分をぐり、と指の腹で押された瞬間に頭が真っ白になった。
「・・・あれ、もしかしてイっちゃった?」と意外そうにきいてくるエースに軽く殺意をおぼえるが頭の芯がぼうっとして満足な反論など浮かびそうにない。
ぐったりしたまま肩で息をしていると休む間もなくエースの大きくそそり立つモノが入り口に宛がわれる。
続けて内側が広げられていくような圧迫感に思わず甘い声をもらす。一度イかされたせいで身体が敏感になっているのだ。






「、んっ・・やぁ、エース・・!」
「・・・、きつ・・・はぁ・・・」





エースが眉を顰める。その姿があまりに色っぽくて身体の奥がじん、とするのがわかった。
・・・、なんでこんな無駄にえろいんだこの男は・・・!
深い口付けの合間に「・・・力、抜かないと・・入らないぜ・・・?」と僅かに掠れた声で囁かれ頭がおかしくなりそうだった。
(まるで、本物の恋人同士のようだ)ゆっくりとエースが腰を沈めていき、何とか全部をおさめたところで
もう一度、今度は軽くキスをされる。腰を少しずつ動かしながら私の耳をぺろりと舐め―――そんな事をしているのに何故か笑顔だけは爽やかに
みえてしまうから不思議だ。・・・・こういう男が女を泣かすんだよな。





「んっ・・・気持ちいい?綾」

「は、ぁ・・ひゃう、っあ、きかないで・・よ・・ぁん、もっ・・と、ゆっくり・・」

「・・・は、・・・君は激しくされた方が気持ちいいんだろ・・・?」







耳を甘噛みしながら直接卑猥な言葉を囁く。じわりと生理的な涙が滲んだ。一回イかされて挿入され気持ち悪い訳が無い。
気分は最悪だがどう見ても私は快楽の波に溺れているのだった。
繋がった部分から聴こえるぐちゅぐちゅという淫猥な音をシャットダウンしようと耳を塞ごうとするがエースに腕を固定されてしまう。
懇願するように涙目で見上げれば、「ちゃんと聞かなきゃだめだよ」と笑う騎士。
肌に張り付いた茶色の髪が殊更いやらしくみえた。
ほんとに、最悪な男だ。腰の動きが段々と速くなってベッドのスプリングが悲鳴をあげ、私も
きもちよくて何も考えられなくなる。ただ馬鹿みたいに喘ぐしかない。





「あ、ひゃん・・・っエース、ふぁ・・わたし・・も、だめ・・」
「・・・うん・・はっ・・俺も、だ・・・」





行くぜ、と云う言葉と共に再奥を突かれた瞬間、私は一際高い声で鳴いて同時に果てたのだった。
・・・・・お腹の奥にある、エースの感触。エースが自分のそれを私のなかから引き抜くとどろりとした白い液体が零れた。
熱の余韻の冷めやらない胡乱げな瞳で見上げれば騎士は
まるで獲物を狩る肉食動物のように薄茶色の眼を細めてにっこりと笑った。




「・・・君がどう思おうと君は俺のものだよ、綾」





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