「やっぱりこたつにはミカンですねえ」
なんて、ベタなことを言ってみる。
今年も冬がやってきた。夏はめちゃくちゃに暑かったのに、冬はめちゃくちゃに寒い。どうなっているのだろう、この地球は。なんとなく気候にむかむかしながらも、こうしてこたつを出せば冬も嫌いじゃなくなる。こたつ、あったかくて気持ちいいし。
「梓乃くんは白いの取る派なの?」
「いや……今日はなんとなく」
ミカンの「白いヤツ」は栄養があるんだとかなんとか。そんなことを言われているけれど、無性に取りたくなるときがある。ミカンをツルツルのオレンジ色にしたいときってあるよね。今日の俺もそんな気分だったので、ひたすらにミカンの「白いヤツ」をむいていた。
智駿さんはそんな俺をぼーっと見つめていた。何を考えているのかは、
「梓乃くん、可愛いねえ……」
わからない、と思ったけれど、そんなことを考えていたらしい。
なぜミカンの「白いヤツ」をむいている俺が可愛いのかは知らないけれど、そう見つめられると恥ずかしくなってくる。
ようやく「白いヤツ」がとれて、つるつるのミカンになった。そこまで頑張ってはみたけれど、ミカンを食べるのって一瞬で終わる。でも、ひとつ、智駿さんにあーんってしてあげたら嬉しそうにしていたので、「白いヤツ」を頑張ってよかったと思った。
ミカンを食べ終わると、智駿さんが俺の隣に移動してくる。そしてのそっと俺にのしかかってきた。
「わ、智駿さんっ」
ずしーっと思い切りのしかかってくるので、俺はそのまま床に寝そべる。そうすると智駿さんがぎゅうっと抱きしめてくるので、少し暑い。
「ち、智駿さん……」
「梓乃くん、」
智駿さんは俺の首に顔を埋めて、ぼんやりとした声で俺の名前を呟いた。智駿さんの息がかかって、むずむずする。そんなふうにぎゅっとされると、ほんわかと温かい気持ちになってきた。
しばらく、そうやって二人でだらだらとしていたと思う。俺はねむくなってきて、うとうととまぶたを開いたり閉じたりしていたが。
「ん……」
もそもそ、と智駿さんが俺の服のなかに手を入れてきた。
あれ? これ……もしかして、智駿さん……したいのだろうか。
「智駿さん……? えっと、」
「んー……梓乃くん、そのままでいいよ」
「え、ええ……んっ……」
くに、と乳首をつままれる。こたつでポカポカになった身体は、いつもより感じやすくなっていたのかもしれない。あたたかさで柔らかくなった乳首を、智駿にくにくにとされて……いやらしい気持ちになってきてしまう。
「あ……あ、……あ……」
ほんのりまどろみと、そして気持ちよさ。それが混ざって、ふわふわとした感覚。智駿さんは俺の乳首をやさしくこねたり引っ張ったりして、ひたすらにそこを愛で続けた。
「ぁん……あ、……んっ……んん……」
「梓乃くん……かわいい……」
「ちはや、さん……」
智駿さんのソコが、少し堅くなっていた。お尻の割れ目に当たって、きゅんきゅんとしてしまう。つい俺は割れ目を智駿さんのソコに押しつけて、すりすりと身体を揺すってしまう。
「はぁ……ぁ……んん……ん……」
「梓乃くん……」
「んっ……あっ……ぁ……」
智駿さんは俺の乳首をこねながら、ぐ、と俺の下腹部に手の平をあてた。そして、自分の体に引き寄せるように手の平に力を込める。智駿さんの堅くなったものがググッとお尻にあたって、きゅーっと俺のあそこが締まった。
「ね、ねえ……智駿さん……」
「んー……」
智駿さんが俺の上に覆い被さってくる。そしてごそごそと俺のズボンを脱がしてきた。そして、熱いものを俺の太ももの隙間にねじこんでくる。
「あ、……や……智駿さん……なか、……いれないんですか……」
「んー……ゴムもローションも取ってくるのめんどくさい……」
「でも……俺……」
たしかにいつも……俺がびしゃびしゃになって、そのままいれることもあったけれど……今は触れあいはじめたばかりで濡れていないし。かといってゴムもローションも遙か彼方に置いてあるからとってくるのが手間だし。いれるのが面倒っていうのはわかるけれど。俺は、いれてほしくて。
「智駿さん……」
「ふふ、梓乃くん……かわいい。でも今はこっち」
「んんっ……うう……」
ああ……ソコが切ない。でも、その切なさに興奮してきてしまって、自然と腰が揺れてしまう。智駿さんもゆさゆさと身体を揺すって熱いものを俺の太ももに抜きさししてきて……本当にエッチをしているときのように、俺は感じてきてしまった。
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
「梓乃くん……はぁっ……」
「智駿さん、もっと……んぁあっ……!」
智駿さんが腰をグッ、グッ、と強く押しつけてくる。そうすると自重で圧が加わっている俺のモノも絨毯にこすれて……前と後ろが同時に責められるような形になった。
智駿さんがぎゅっと俺の手を掴んで、グッ、グッ、グッ、グッ、と身体を押しつけてくる。俺は身動きがとれなくて、されるがままに喘ぐことしかできなかった。
「んっ、んっ、んっ、……」
「はぁっ……ね、梓乃くん……だしていい?」
「ん、どこ、に……ぁっ……」
「ここ……」
智駿さんが先っぽを俺のあなに押しつけてくる。
ああ……そこにいっぱい出して欲しい……。
俺は暑さでぼんやりする頭でそんなことを思った。
智駿さんに手をほどいてもらって、そして、自分のお尻を掴む。ぐいっと広げて、あなを智駿さんの先っぽに押し当てた。
「だして……智駿さん……いっぱいください……」
「梓乃くん……だすよ、」
「はい……あ、……ぁあぁああ……」
じゅわ……とあなの入り口に熱い液体が広がっていく。なかには注がれなかったみたいで、少し残念だ。でも、気持ちよくて……うっとりとしてしまう。
しばらく、俺たちはそのままの体勢でぼんやりとしていた。濡れたお尻はぬるぬるとしていたが、なんだか拭くという気分にもなれず。「んー」とうなったり、キスをしたり、まったりと過ごしていた。
「暑い……」
「水……飲みたいですね……」
「とってこないと……ああー……冷蔵庫が遠い……」
「んー……智駿さん、ちょっと下りて下さい……俺、とってきます……」
「ええ……もうちょっと……」
「うう……暑い……」
こたつは一番低い温度にしていたけれど、それでもそのなかでエッチをすれば暑くなる。喉がからからになって、今すぐに水を飲みたかった。
あんまり、こたつでエッチをするものではない。そんなことを思ったけれど。気持ちよかったから、またやっちゃうんだろうな……なんて思った。
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