にゃあって鳴いてよ


 家に帰って、二人はさっと風呂に入って沙良の自室に向かった。今日もどうやら洋之と夕紀は帰っていないらしい。つくづく家に返ってこない家族だ。波折といちゃつくには丁度いいんだけど、と沙良は苦笑する。


「そういえば、夕紀からメッセージきたんですけど、明日の学園祭に夕紀くるらしいです」

「へえ……俺のクラスは教えなくていいよ」

「えー、どうしようかな。でもとりあえず、夕紀は俺の有志発表みにくるみたいで」

「ああ、なるほど」


 買ってきたものを漁りながら、ぼそぼそと雑談する。袋をひっくり返せばでてくるのは、大量のアダルトグッツ。あの店の店員が男でよかった、と今更のように思い出しながら、沙良はバイブのパッケージを開けてみる。外箱を外して、電池をセットして。スイッチを入れればぶーん、と震えだした。沙良はいたずらっぽく笑いながら、それを波折の胸に服の上から押し付けてみる。


「んっ!」

「可愛い声」

「……いきなり、ずるい」


 えい、えい、と乳首をぐりぐりしてやれば、波折が顔を赤らめる。波折は感じながらもくすぐったそうに笑いながら、自分もローターを手にとってスイッチをいれると沙良の股間に押し付けてくる。


「ぎゃっ」

「おかえし」

「それは、卑怯です」


 ふたりでわちゃわちゃとおもちゃを使ってくすぐり合っていると、沙良のなかに徐々に波折をいじめたい衝動が湧いてくる。「んっ、んっ、」とまだまだ可愛らしい声をあげている波折にもっと余裕のないはしたない乱れ方をさせたくて、そろそろ、と沙良は波折の服を脱がしにかかった。


「あっ」


 波折の服を脱がせるのも、大分慣れてきた。あっという間に裸に剥いてやって、波折をベッドに転がしてやる。ころんとシーツの上で丸くなる波折に覆いかぶさって耳元にキスをしてやれば、波折がくすくすと笑いながら「あっ……」と甘い声を唇から漏らす。可愛いな〜、と乳首なんかもこりこりと弄ってやると、本格的に感じてきたのか波折の表情が蕩けてゆく。


「じゃ、先輩。そろそろ猫になろう」

「ん……」


 よいしょ、と沙良は手を伸ばして首輪を手にとった。SMプレイなんかで使われるような、鎖のついた赤い首輪。波折の細首につけてみると……すごく、似合っていた。波折の手を引いて起こしてみて、沙良はその姿をまじまじと見つめる。つるつるの白い肌、胸元のピンクの乳首。そして赤い首輪とそこからぶらさがる鎖。すっごくすっごく、可愛い。軽く鎖を引っ張ってみると、「んっ」と可愛く鳴いてぎゅっと目をとじる。嗜虐心をがんがん煽られて、沙良の心に火がついてゆく。


「さら……」

「……すっごい、イジメて欲しそうな顔してる……先輩」

「うん……」


 鎖を引っ張りながらその顔を覗きこめば、波折は期待に満ちたような瞳をして薄く唇を開きはーはーと息を吐く。なんでこの人はこんなにひどいことしたくなるような表情ができるんだろうなー、と苦笑しながら沙良は猫耳カチューシャを波折にかぶせてやった。


「んー……やっぱり可愛い」


 沙良は別に猫耳に萌えたりなんかはしない。むしろそんなものつけている女子がいたらほっぺを叩きたくなる。でも、実際にこうして好きな人がつけているのを見ると……悪くないな、と思ってしまった。ふさふさとした猫耳が上手い具合に首輪のアブノーマルっぽさを緩和して、全体的に可愛い雰囲気をだしてくれる。……とはいっても変態臭いことには変わりないが。


「ねー、先輩」

「んー」

「今から、「にゃー」しか言っちゃだめですよ」



 沙良が命令すると、波折はぱちくりと瞬いて、そして「にゃー」と鳴いた。かわいい、と波折の顎を撫でてやると、気持ちよさそうに目をとじる。ああ、この可愛い猫を好きにしていいんだと思うと、ものすごく興奮した。顎とか、頬とか、頭とか、いろんなところを撫でてやると嬉しいのか顔をとろんとさせてくるのもまた堪らない。波折はもっと優しい意地悪をしたいなあって思わせる天才だと思う。

 沙良は買ってきたおもちゃの封を全部切る。そして、まず、ローターを両方の乳首にテープでくっつける。手首にはふわふわのついた手錠。最後に例のしっぽつきバイブをお尻にいれる。装着しただけてもものすごくいやらしくて、波折はふるふると期待に震えながら顔を赤らめている。ぞくぞくしてくる。沙良は首輪の鎖を手に持ちながら……ひとつひとつ、おもちゃのスイッチをいれてやった。


「あっ……んっ……!」

「先輩。鳴き声」

「……っ……にゃっ……」


 ぴくぴくっ、と波折がのけぞりだす。ぱたりと沙良の膝の上に倒れこんで、そして丸くなってしまった。ぶーん、とおもちゃの無機質な音が聞こえてきて、それに波折の鳴き声が混ざる。


「にゃー……にゃっ……にゃあっ……ん、にゃあっ……」


 膝の上で、もじもじ。本当に愛猫みたいだ。沙良は猫を撫でるように自分の膝の上で悶えている波折の頭を撫でてやる。


「にゃあー……にゃあー……」


 波折のお尻のなかがひくひくするたびに、しっぽはぴくんぴくんと動くから感じているのかどうかわかりやすい。はー、はー、と息をしながら鳴いて、お尻のなかひくひくさせて。そうとう感じているんだなって思って沙良は微笑んだ。


「先輩〜、よしよし」

「にゃっ……んっ……! ぁうっ……にゃあっ……」


 沙良がしっぽを掴んで、抜き差ししてやる。このしっぽのさきにはアナルビーズのように小さなボールがいくつも連なったような形状をしたバイブがあって、こうして抜き差しすると波折のなかでぽこんぽこんと独特な感触が走る。結構長めのバイブで、奥の奥まで届いているからこうされると波折はものすごく気持ちいいのだろう。波折の身体からはへにゃっと力がぬけて、そしてひくひくと小刻みに震えている。


「はーっ……はーっ……にゃっ……あぁんっ……にゃあっ……はーっ……」

「しっぽいじられるの、気持ちいい?」

「にゃー……んぁっ……」


 乳首のローターを強にして、波折の頭を撫でる。優しくなでなでとしながら、でもしっぽバイブの抜き差しは激しく。にゅっぷにゅっぷといやらしい音をたてて、波折のお尻がよろこんでいる。


「あはは、可愛い猫ですね。こんなペット飼いたいなあ」

「にゃー……ぁん……にゃー……」

「ん? どうしたんですか?」

「にゃー……」


 波折が指先で沙良をかりかりと掻いてくる。涙をぽろぽろと流しながら、何かを訴えてくる
「にゃあ」しか言っちゃいけないと命令しているから、して欲しいことを言えないのだろう。波折は身体をそろそろと起こすと、沙良にお尻をむけてくる。


「にゃあー……」


 お尻を、ふりふり。ぶるぶると震えるしっぽが、揺れる。うわー、ド淫乱のお尻だなー、なんて思いつつも、沙良はちゃんと波折の意図を汲み取った。「おちんちんください」って言っている。けっこう太いバイブだったと思うんだけど、チンコのほうがやっぱりいいのかな、と沙良は苦笑い。


「おもちゃより男のチンコの方が好き?」

「にゃあ、にゃあ……」

「へえ、そっか、先輩。やーらしいの」


 ぺち、と軽く波折のお尻を叩く。「んっ」と波折が鳴いてひくっとお尻が震えた。はやく、はやく、と言っているようにバイブを呑み込んだお尻の穴がひくひくしている。この淫乱アナルめ。

 しっぽを掴んで、特に焦らしもせずに一気にバイブを引き抜いてやる。ずるるるるっと長いアナルビーズがお尻の穴からでてきて、こんなに長いの挿れて悦んでたのか、と沙良は改めて波折の淫乱さに感嘆する。引き抜くと同時に「あぁあぁんっ……!」って鳴いてのけぞって、びくっ、びくっ、と震える波折。そして出てきたバイブもぶるんぶるんと大げさに震えている。沙良ははは、と笑って、痙攣を続ける波折のお尻を鷲掴みすると、ひくんひくんと疼いているお尻の穴にペニスをあてがった。そして、首輪につながる鎖をぐっと引き寄せる。


「あぅっ……!」

「先輩、可愛がってあげますね」

「にゃ……にゃあっ……!」


 首輪を引っ張られてくっとのけぞる波折が、涙目で鳴く。そんな可愛い波折に、その猫のようにお尻を突き出してくる彼に、沙良は思い切りペニスを突っ込んでやった。


「ぁあっ……!」


 びくんっ、と波折の身体が跳ねる。沙良はぐっと鎖を引き寄せて、波折の首を引っ張った。シーツに身体を伏せることのできなくなってしまった波折は、上半身をふらふらと宙に漂わせながらガツガツと腰を突かれることになってしまう。すがりつくものもなく、下半身をがくがくと揺さぶられて、波折は腰が砕けてしまって顔を蕩けさせながら鳴いた。


「にゃあっ……にゃっ……! あぁっ……! あっ、はぁ……!」

「ほら、先輩も腰振って」

「にゃー……にゃーっ……」


 しゃん、と鎖をしならせると、波折がかくかくと腰を振り始める。沙良も自らの動きはとめずに、そんないやらしい波折の動きを堪能した。細腰がくねくねと動き、お尻を沙良の腰にこすりつけるように動く。そして沙良はそんな波折のお尻に、腰を叩きつける。


「にゃあ……にゃあ、にゃ……」


 波折の鳴き声はとろとろ。交尾している猫みたいに、しきりに声をあげる。お尻のなかもとろとろで、沙良のおちんちん大好きって言っているみたい。

 沙良は波折の片方の乳首のローターを剥がして、自らの指で乳首を刺激し始める。ローターの刺激でこりこりにかたくなっている乳首を、ぎゅううっと根本から引っ張って、ぐにぐにと揉んでやる。


「にゃあー……!」


 ずぶずぶとおしりの中を掻き回して、乳首をこりこりとしてやって。波折は気持ちいいのか身体をエビ反りにして何度もイッていた。ペニスからだらだらとだらしなく蜜を垂れながらし、恍惚と目をとじる。

 ぎゅううーっとなかが締まってきたところで、沙良は波折をシーツに押し倒した。ばふ、と身体を丸めるような体勢をとった波折に沙良は抱き込むようにして覆いかぶさり、抽挿の速度をあげていく。


「にゃ……にゃ……」

「きっつい……先輩のなか……」

「っ……にゃ……っ……! はぅっ……! あっ……」


 びくびくっ、びくびくっ、と波折のなかが痙攣しだして、沙良はそれにあわせて中出ししてやった。

 沙良に中にだされたのを感じ取った波折は、くたりと身体の力を抜いて「にゃー……」と鳴いている。そんな満足気な波折をころんと転がしてやって、頭とか顎とかほっぺとか、色んなところを撫でてやると気持ちよさそうにふにゃっと笑ったのがほんとうに可愛くて、沙良はしばらく波折を撫でまわしていた。
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