甘い恋をカラメリゼ | ナノ
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 とある噂を聞きつけた。あの「腐れ縁」がどうやら風邪をひいたらしいと。一応「友人」の括りにははいるんだろうけど、いつまでたっても憎たらしいアイツ。

 昼も過ぎたころ、俺はそいつの家に向かう。厚意でも義理でもなんでもない、弱ったアイツをからかいにきただけだ。別に手にぶら下げた栄養価の高い食材はたまたまうちにあったから持ってきただけであって、アイツのために買ったわけじゃない。

 ドアチャイムを鳴らしてみる。一回、二回……と鳴らして、今は寝ているのだろうか、と持っていたビニール袋をドアノブにかけてやろうと思ったときだ。ぱたぱたと中から足音が聞こえてきて、そして扉が開く。



「はい、今智駿さんは……って、あ! 白柳さん!」

「うわっ、看病にきてるんだ梓乃くん! どこまでラブラブしてんの」



 でてきたのは、アイツの恋人らしい梓乃くん。俺をみてあからさまに嫌な顔をしたこの子は、よくわからないけれどアイツにぞっこんらしい。



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